あの音は工作員だったのかもしれない

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

もう10年以上も昔の話だけど、12月くらいに堤防から夜釣りをしていた。

幅3メートル、高さ3メートル、先端まで100メートルくらいの堤防で、沖側にはテトラが積まれていて、俺はテトラに乗って釣りをしていた。

青イソメの投げ釣りで、夜の10時くらいまではアイナメやチャリコ、セイゴなんかが釣れて楽しかったんだけど、0時くらいからパッタリ釣れなくなった。

仕事で疲れていた事もあり、眠いしそろそろ帰るかなーと思って、最後の一投をして糸フケをとっていると、堤防の上を何人かが台車を押して歩いて行く音が聞こえた。

テトラを少し降りた所で釣りをしていたので、見上げたんだが、角度的に丁度見えない。
漁師か大荷物の投げ釣りやる人かな?と思って特に気にしてなかったんだけど、すぐ後に先端の方で、ジャバジャバジャバジャバと、砂利か何かを海に捨てたような音がした。

漁師が牡蠣殻か何か捨ててるのか?と思いつつ、最後の一投でまたアタリが来ないかと穂先に集中していたら、ダッパーーン!ドッパーン!とかなり大きなものが海に落ちる音が4回した。

ビックリしてしばらく固まってたんだけど、もしかしてさっき後ろを通って行った人達が海に落ちたのかもと思い、急いでテトラを登って堤防の上に出た。

先端部まで大体20メートルくらい。
急ぎ足で歩きながらライトで先端を照らすと誰もいない。

それどころか何もない。
先端まで行って海を照らしても何も浮いてない。
確かに台車のようなものを押している音と、数人の足音、ジャンバーがカサカサと擦れる音が聞こえたのに・・・。

漁船もあったけど、無人で出航した形跡も無い。
今のは何だったんだと考えるうち、怖くなって荷物竿やクーラーボックスを置いたまま車まで逃げ帰った。

その後、ニュースで水死体の話や、関連ありそうな事件も聞かなかったし、あの時起きた事は今でも謎のままだ。

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