その物件に説明義務はなかった

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

半年ほど前、隣室で首吊りがあった。

その時、物音を聞いていたため警察に証言したりしたんだけどそれは割愛。

問題は事件後。
誰もいないはずの隣室からやけに生活音が聞こえることだ。

誰か入居したのか?とも思ったがどうやら違う。

なぜなら、音が3日続いたと思えば1ヶ月間静寂・・・でまた1週間ほど聞こえてくる、という奇妙なものだったからだ。

事故後色々と敏感になっていたのもあり、自殺のあった部屋のほうから聞こえてくるシャワー音や男女の会話が耳について落ち着かない。

初めて気づいたときは別の部屋からかと疑ったが、防音には自信があるはずの俺のアパートで生活音までも聞こえるのはせいぜい隣室までで、方向からすると・・・。

まさか幽霊??

冗談半分に考えたこともある・・・が、玄関の開閉音も聞こえるし、玄関脇の換気扇ダクトから夕飯の匂いがしたこともある。
人がいるのだとしか思えなかった。

そんな生活が3、4ヶ月程続いたころ、アパート玄関口に大家がいて、挨拶して通り過ぎようとしたら呼び止められた。

大家:「あー(俺)さん?事故のあった部屋だけどねぇ、親戚やら友達やらが大勢来たときにたまに貸すことにしたんだ。だから物音がしても気にしないでね」

・・・なんだよやっぱ人がいるんじゃねえか早く言えよな!

後日、一連の顛末を物音について相談していた同僚に話したら、「・・・それって事故物件のロンダリングじゃないか?事故物件の説明義務は次の入居者だけだ。親戚を一旦でも入居したことにすれば、新規の顧客には説明しなくて済む。・・・ていうか、部屋が空いていても知り合いを事故物件に泊めたりしないだろ。」と言われた。

ところで、最近問題の部屋に新しく人が来たみたいなんだが、そいつは事故物件だと知っているのか、そして俺は説明してやったほうがいいのかね?

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