高校生の時、親の仕事の都合で他県に引っ越しした。
長く住んだ地元を離れるのが辛くて、同級生や古い友達に別れを言うのも勿論、子供の頃通った公園や遊び場を巡ってインスタントカメラで写真撮ったり、馴染みの商店をハシゴしてお別れ言ったりした。
冬空の下、白い息吐きながら自転車で駆け回ったのをよく覚えてる。
あれからもう十数年経ってるんだけど、最近なんか思いついて、「あの地元は今どうなってるんだろう」と町名を検索したら、検索のわりと上位に古い強盗殺人のニュースが出てきて、私が引っ越した数日後、挨拶した店のお婆ちゃんとその家族が殺されてたことを知った。
ニュースにはなったんだろうけど、バタバタ引っ越ししてたせいか全然知らなかった。
当時撮った写真を探してみたら、そのお店の外観写真があって、その写真の裏に、書いた覚えもないけど「オバちゃんまた買いに来るよ!」って私の字で書いてあって、なんだか泣いてしまった。