現実を理解するまで時間がかかった

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

前に起きたエキスポランド死亡事故について。

僕達は朝方に電車に乗り、10時頃に到着しました。
到着してからフリーパスを買い、幾つかのアトラクションを楽しんでから昼時だったので昼食を食べることにしました。

当時の彼女が作ってきてくれた弁当を広げ、美味い美味いとベンチで食事を楽しんでいました。

その時、上に「風神雷神」というその当時では珍しい立ちながら乗るというジェットコースターのレールがあり、特に気にもしていませんでした。

風神雷神が自分達の真上を通過する少し前くらいに微振動が毎回起こるのですが、
何回か通過した辺りで少し異変が起きました。

毎回のようにコースターが通過する少し前に起こる微振動が起きた時、僕達の頭上から白い粉や鉄クズのような物がパラパラと降ってきたのです。

広げていた弁当に異物が混入し、少しの怒りと共に上を見ました。

丁度、コースターが真上を通過した時です。
文面では表現出来ない轟音と共に一席のシートが横に倒れました。

コースターのサイドに必ずある柵か手摺か分かりませんが、その部分とシートに立っていた女性の頭部が重なりモゲました。

想像をしにくいかも知れませんが、僕達の頭上のレールは位置的にマシンが下った後、最も加速するポイントで最高速度から一気に急停止した為に轟音が鳴ったのだと思います。

最高速度と急停止の間にシートが倒れ、頭部がチョンパになったのでそれはそれは凄まじい勢いでした。

何が起こったのか理解出来ず、ただ約10m先に落ちてきた女性の頭部を眺めていました。

この瞬間、周りは恐怖・好奇心に包まれ悲鳴が鳴り響いていました。

胴体から分離されて尚、活発にウネウネと動いている眼球。
筋肉が無くなった故なのか垂れ下がっている口元。
何故だか飛び散っている脳髄。

全てが現実だと認識するには時間が掛かりました。

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