逃げて正解やで・・・

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

実体験です。

昨日、関西の某県でカブトムシを捕りにいこうと友達と三人で山の中に行きました。
時間は午前2時位だったかな。
山の中に入ってどんどん奥へと進んで、木をチェックして歩いていました。
すると、「なんか聞こえへん?」と友達のA君が突然言うので耳を澄ましてみました。

「あっ。聞こえる!」

続いて友達のB君も言いました。
私はいくら耳を澄ましても聞こえなかったので、「気のせいちゃう?」と二人に言いました。

でも二人は確かに何か変な音がずっと聞こえると言って、音のするほうにどんどん進んでいきました。

しょうがないので私もA君とB君の後をついて行きました。

「あっ。あそこなんか明かりが見える!」

「ホンマや!」

A君とB君が指をさす方向には確かに赤くて小さな明かりが見えていました。
しかも、よく見るとその明かりは小刻みに動いていました。

私たちは、少しづつ明かりに近づいて行きました。
そこでようやく私も彼らが言う『音』が聞こえました。

『コツッ・・・コツッ・・・コツッ・・・』

と言う音・・・。

「誰かいてるぞ。」

A君が小声で言いました。
それに続いて、私たちは木の後ろから隠れるようにしてその『誰か』を見るようにしました。

その『誰か』は、丑の刻参りをしている最中でした。
白い服を着て、ロウソクを鉢巻で頭に巻き、木に藁人形を打ち付けていました。
よくテレビなんかで見るけどホンとにあんな格好をするんだと思いました。

見た感じ、23歳~26歳くらいのショートカットの女性でした。
私たちは無口になりその光景をジッと見ていました。

しばらくして、B君が「あの顔見てみぃや・・・」と言いました。
私はB君の言うとおり、藁人形を木に打ち付けている女の顔を見ました。
・・・はっきりいって、人間の顔をとは思えない形相でした。
貞子がかわいく見えるくらい・・・。

「うわ・・・」

A君も気持ち悪そうに言いました。

その時!!!

その女は突然、私たちのほうに顔を向け走って来ました。

「逃げろ!」

A君かB君かどちらが言ったのかわからなかったけれど、私たちは夢中で走って逃げました。
気がつくと山を抜け、自動販売機のところに三人で息を切らし立っていました。
女はもう振り切ったみたいでした。

「けっ・・・警察行こう・・。」

B君が言いました。
私たちは急いで警察に行きました。
内心、信じてもらえるか心配でしたが警察の人はこう言いました。

「ああ・・・。あそこの山か?で?君ら丑の刻参り見たんか?逃げて正解やで、丑の刻参りって他人に見られたらそいつを殺さないと自分に呪いかかるらしいからなぁ。」

私たちはゾッとしました。
あの女は殺されるところだったんだと。

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