事件が多発していた場所

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

その日、学校サボって地元をうろうろしてたんだ。
朝も早いんで暇つぶしに埠頭を目指して産業道路沿いを歩いていた時。
道路の反対側を歩くホームレスのおっさんが見えた。

その当時、この辺りではホームレスは決して珍しくもないものだった。
片側3車線の道の反対側だから怖いと思う事もなかった。
けど、人通りの少ない道なんでやけにそのおっさんの行方が気になった。

おっさんは道路を挟んで俺と同じ方向に向かってる。
時折おっさんの方を見てしまう。
すると、そのおっさんは横断歩道もない広い道を横切って俺がいる方の道へ渡ってきた。
俺との距離は100mくらいかな。

俺の後ろにいるとますます気になりだした。
スタスタと早足で歩きながら、後ろを振り返ると100m程あった距離はその半分位になってた・・・。

何かいや~な気がして少し経ってから再び振り返る。
その距離は更に短くなり、俺と目が合ってしまった・・・。
こりゃヤバイかも・・・と思い小走りになる。

後ろからペタッペタッペタッペタッと変な音が聞こえてきて三度振り返ると・・・そのおっさんとの距離10m位に・・・。
しかもおっさんは物凄い形相で全力疾走で俺に向かって来やがる・・・。
どう見ても俺を標的にしてるとしか思えない。

とんでもない殺気を感じて全力疾走で車が行き交う道を渡って逃げました・・・。
ほんとに怖かったんです。
チビりそうでした。

後から聞いた話ですが、その近辺ではひったくりが多発しているようで・・・俺はその餌食だったかもしれない・・・。

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