本能的に恐怖と初めて感じた体験

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

10年以上前になります。

私は観光のついでに某県立図書館に立ち寄りました。
一般閲覧室は親子連れも多く賑やかな雰囲気。
受付で「江戸時代の史料を閲覧したい」と伝えると二階の郷土史料室に行くようにいわれました。

階段を上るのは私一人、昼間なのに少し薄暗い感じでした。
階段を上がった脇にトイレがあり、私は史料室に入る前に済ませておこうと思って中へ入りました。

節電のためか消えていた電気をつけ、用を終え個室を出たときに手洗いカウンターに女性が一人いることに気づき・・・次の瞬間凍りつきました。

背中まで伸びた長い黒髪で、半そでのワンピースを着たその女性は身を乗り出すように鏡に顔を近づけ、こめかみの髪を「ブチッ」「ブチッ」と引き抜いてるのです。

白髪や枝毛を一本一本抜いているのと違います。
まとめて引き抜いているのです・・・。

斜め後ろから見た彼女のこめかみが異様に剥げているのがわかりました。
それでもなお抜き続けているのです。

私は本能的に「鏡の中の顔を覗いてはいけない、眼を合わせてはいけない」と思ってドキドキする心臓を押さえながら逃げるようにトイレを出ました。

その後は史料室で何事もなく過ごし、そのトイレには寄らずに図書館を後にしました。
オカルトでは無いかもしれませんが、異質な光景に対して本能的に恐怖と初めて感じた体験でした。

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