犯人を聞いて驚いた

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

怖い思いをして実害もあった話。

夜遅くに仕事から自宅のマンションの部屋に帰ったら玄関の前に粉が落ちてた。
なんだろうと?思って屈んだところ、玄関ドアの異常に気づいた。
穴が空いてた・・・。

爪楊枝が2本入るくらいの小さな穴で、位置的には腰くらいの高さ。
貫通はしてない。
粉はその穴の下に落ちてる。
その穴を開けた時の粉末みたいだった。

しかもよく見たら一つじゃない・・・。

蝶番の近くと膝くらいの高さに一つずつで合計三つ。
ピッキングか何かだったら怖いと思ったけど、部屋は無事だし、その日はチェーンロックして就寝。
残業で疲れてたし、シロアリかとも思ったから、明日不動産屋に連絡すればいいやくらいのつもりで。

なんだかんだで次の日も残業やってから帰宅して泣きそうになった。
穴が増えてた・・・。
やっぱり腰くらいの高さに一つ追加。

半泣きでマンションの入り口に戻って、管理会社に電話したよ。
被害が微妙すぎて通報は躊躇った。
管理会社の人が来て、翌日に不動産屋といっしょに対応を考えることになった。
その日は同期に泣きついて泊めてもらった。

その翌日。
不動産屋が警察に通報して、犯人はあっさり捕まった。
うちの玄関に穴あけた犯人は、隣の部屋の住人だった。

仕事中に犯人逮捕の知らせを受けたので、その日は残業なしで警察署に行った。
不動産屋もいて、事情説明を受けた。

不動産屋:「実は一年ほど前にも、同様の被害がありまして・・・」

俺:「はあ!!???」

俺:「そんな危ないヤツが住んでるなら最初から言っとけ!」

不動産屋:「いえ、その方は器物破損で書類送検された後、退去していただいたのですが・・」

俺、きょとん・・・。
退去した?

不動産屋:「その後に新しくあの部屋に入った方が、その・・・今回の悪戯の犯人でした」

物音を聞かなかったか?と、隣に警察が質問に行ったら、挙動不審だったもんで、厳しめに聞いたら自白したらしい・・・。
前の犯人は所在も確かめ、そっちはそっちで別の場所にいるそうだ。
二人に接点はないっぽいと警察が言っていた。

犯人の動機は二人とも異口同音ってやつで、「見ないと見られる」と意味不明らしい。
あれ、覗き穴だったのか・・・貫通してなかったのに。
自分の部屋か隣の部屋が実は事故物件なんじゃないかって聞いたら、不動産屋は否定してた。
いや、同じ部屋に住んだ別人が同じ風におかしくなるって、明らかに異常だろ・・・。
そして異常があるとしたら、うちと犯人のどっちの部屋なんだよ・・・。
こっちの部屋の何に見られてたんだよ・・・。

もちろん自分はすぐに引っ越して、最近ようやく気分的に落ち着いてきたところです。

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