合コンパーティーでの女

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

お見合いパーティみたいな合コンみたいな、何ともつかない微妙なイベントに参加した時のこと。

男女それぞれ十数人と言う合コンにしては大きな規模のイベントで、最初はとりあえず全員と話をして自己紹介もしたんだけど、その時一人、吃音(どもり)って言うのかな?言葉がつまって上手に話せない娘がいた。

正直見た目も冴えないし、服装もなんか近所の店で”店員にセット購入させられました”みたいな感じで全然好みではなかったんだけど「ここで優しい俺アピールしておけば他の娘の好感度も上がるだろう」という打算から水持って行ってあげたり、その水でむせた時にハンカチで拭いてあげたりした。
まぁ最初だけだけど。

その後は俺の計算通り”優しい俺”は結構女の子たちに声をかけられ、楽しく飲み食い。
中でも結構な”巨乳の女”に気に入られ、さりげないボディータッチされまくりで「俺ロックオンされたんじゃね!?」とその気になってた。

途中トイレに行くと、男子トイレの前に吃音(どもり)娘が立っている。
吃音(どもり)娘は「お・・・俺さん、あの・・・あの・・・さっささっきから話ししてる・・・おん・・・女はやめた方がい・・・いいいいいで・・・いいです。」と、相変わらず・・・。

聞くと話の内容も「あの巨乳の女は色情霊に取り憑かれている女だから関わると不幸になる。俺さんは優しいから目をつけられてしまったから逃げた方がいい。私ならあなたを救える。」と言うメンヘラなもので、俺は内心「あぁ変なのに目をつけられたw」と思いつつ「大丈夫、すぐに付き合うとかそう言うのは無いから、忠告ありがとう。キミも優しいね。」なんて感じで戻ってきた。

そのままイベントも終了。
俺はやはり”巨乳の女”といい雰囲気。

この後飲みなおそうかと言う話になり、”巨乳の女”と店を出て知ってる店へ。
軽く飲みなおして会話も弾み、もしかしてこのままお持ち帰りコースなのか!?と、期待しながら支払い。
この時点で最初のイベント終了から2時間程は経ってた。
すると、突然店の外から先に出ていた”巨乳の女”の悲鳴が聞こえた。

急いで行ってみると、そこには茶色と言うか黄色というか、変な色の水を頭からかぶってガクブルしてる”巨乳の女”と、その前で空のペットボトルを逆手に持ち、吃音(どもり)のかけらもない流暢な話し方で「パーネムノストーム!スペルプスタンティアーム!」とか何とか、すごく長い魔法の呪文wを唱えるどもり娘がいた。

思わず「何この呪文ちょっとカッコイイw」と思ってしまった。

店員か通行人か、誰かが警察呼んだらしく吃音(どもり)娘は御用。
”巨乳の女”は何かさっきまでと人が変わったような目つきでキョロキョロしながら「気持ち悪い・・・」と言うので救急車まで出動して病院へ。

結局かけられた液体はただの水だったようで”巨乳の女”も一日様子見で入院したもののすぐ退院。
吃音(どもり)娘も「二度とこんな事はしない」と約束をして、厳重注意だけで釈放。

”巨乳の女”とはその後何度か会ったが、出会った夜のあの積極的な性格はどこへやら、普通に距離とっていいお友達からみたいに付き合ってもう3年くらい。
本当にいいお友達になってしまった。

”巨乳の女”はかなり人見知りで、あのイベントも友達にムリに参加させられた状態だったらしい。
普段は全然行かない繁華街の角でその友達と一緒に土産物みたいなチャチな恋愛成就のお守り(ストラップ)を買ってからの記憶が曖昧になっているそうだ。

いつの間にかお守りも無くなってたし「吃音(どもり)娘ちゃんに助けられたのかも」と今でも時々言う。

吃音(どもり)娘とはその後会ってない。

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