大学の頃の話。
その頃まだ実家暮らしで田舎の一戸建てに住んでたんだけど、隣に新築の家ができて三人家族が引っ越してきた。
旦那さんが自営業で奥さんと小学生の娘さん一人。
「あー隣静かだったのに騒がしくなるな」
そんなことを思ってた。
で休みの日に一日用事がない日なんかゴロゴロしてるんだけど、隣の奥さんの怒鳴り散らす声がすごい・・・。
内容が子供さんに怒鳴ってるみたいなんだけど、とにかく異常なぐらい声張り上げて「○○ちゃんが悪いんでしょ!!どうしてそんなことするの!アンタが~!!」云々・・。
ほんと聞いてて不愉快な叱り方する。
でも、まぁそのうちそう言う怒鳴り声もなくなってきて子供も少しづつ大きくなってワガママ言わなくなってきたのかな?とか思ってた。
で、自分は長風呂が好きなんだけど、休みの日は昼前ぐらいから風呂の中で本読んだり、音楽聴いたりするのが結構日課になってて一時間ぐらい入ってた。
で、うちのお風呂場はちょうどその隣家の側にあって、ウチの風呂場ウチの駐車場隣の家って感じ数メートル離れてる。
時々自分が昼間風呂に入ってると風呂場のすりガラス越しからなんかチカチカ反射する光が入ってくるんだよ。
昼間の風呂だから、すりガラスだけでブラインド下げてないから外の光とかスゴイ入ってくる状態で、最初は通り過ぎる車のライトか何かかと思って気にしなかったんだけど、どうも妙だな・・・と思ってしばらくすりガラスを眺めてると・・どうもとなりの家の二階の窓あたりが光源になってるみたいだった。
「え?」と思ったの。
懐中電灯でもないしなんか既視感がある光と思ったら、手鏡を太陽の光に反射してる光のようだった。
小学生の頃理科の実験とかで誰でもやったことあるよね?
それで「あー隣の子供かぁ・・」と、とりあえず納得して気にしなかった。
しかし、自分が大学休みの日に実家で昼風呂はい入ってるとほぼ毎回その現象が・・・。
さすがに気持ち悪かったけど、子供のすることだし・・・とか思ってた。
でもよく考えると休講日は大抵平日だし平日の真昼間って子供学校行ってるし、あそこ一人娘だよな?
とか思い始めるとどんどん不気味になってきた。
そういうのが半年ぐらいずっと続いてるんだよ。
かと言って風呂中にすりガラスのドア開けて確認するほどまでも気にもならんし、まぁもやもやした日が続いていた。
そしたら、ある日夜中に寝てたら消防車の音が遠くから聞こえて・・・でもその「ピーポーピーポー」がどんどん近づいてくんのよ。
「あーウチの住宅街のどっかだなー・・おっ・・結構近いな・・ん?んんん!?もうすぐそこまで近づいてきて流石にこれとなりじゃないの?」
そう思って飛び起きて自分の部屋から窓開けて顔出したら、やっぱ隣っぽくて暗い住宅街を赤いライトがぐるぐる照らしてた。
野次馬根性丸出しだったけど流石に外まで出て見物するのも気が引けるから一階に降りて隣家の側にある部屋の窓開けて見てたら、父親らしき人が救急隊になにか説明してた。
その横で誰かが搬送台に乗せられてすごい苦しがってたんだよね。
で、ちょっと家の方見たら、あのよく叫んでたおばさんが玄関先でボケっとつったってんの。
てことは搬送されるの娘さん、と察知できた。
そこから妙だったのが父親と救急隊員が車に乗り込んですぐに病院に向かったっぽいんだけど、去ったあとにその奥さんブツブツ言いながらまた家に入ってったんだよ。
普通、両親とも一緒に行くだろ?、と思ったんだけど、その時に、もしかして・・とか色々考えてしまったわ。
あとあと考えるとあの光の反射が単なるお遊びじゃなくて、あの娘さんの必死のSOSだったのかな、とか思ってしまった。