妹が入った風呂の湯に・・・

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

怖いかどうか微妙だが、俺が中学2年生のときに体験したこと。
俺には2歳年下の妹がいるんだけど、俺は妹のことが大嫌いだった。

俺と妹は性格がかなり違い本当に同じ母親から生まれたのかと疑うほどで、特に嫌いな理由は妹が不潔ということ。

家に個人の部屋というものはないが、妹の勉強机の周り、ベッドの下はゴミ(不要な物、おもちゃ、ぬいぐるみ、本)などが大量に落ちていたり、髪はくせ毛で手入れするわけでもないのに伸ばそうとしたり、おまけに「めんどくさいから風呂に入らない」、と言い本当に入らないことがある。

ただでさえ、妹が風呂に入っている時間は、測ったわけではないが5分くらいと短く、本当に体を洗っているのかと疑うこともあった。
挙げだしたらキリがないが、とにかく妹は不潔だった。

大体の家庭はそうだと思うが、家も風呂のお湯は沸かして使ったら、洗濯に使用される。
誰かが風呂に入る度にお湯を入れ替えることは水道代のムダってことで、不潔な印象の妹のあとには絶対風呂に入りたくなかった。

だがある日、どういう訳だったか覚えてないけど、どうしても妹より後に風呂に入らなきゃいけない日があった。
多分俺が遊んでて遅れて帰ったら俺以外みんな風呂入ってたからだと思う。

目が充血するほど嫌だったけど、中二になってそんなことでダダこねるわけにはいかなかったので、我慢して、すっぽんぽんになって風呂場に行って風呂のふたを開けたんだ。

そしたら胡麻を半分にしたよりちょっと小さめなシラミのようなものが大量に浮いていたんだ。
俺は驚愕し、同時に妹の後に風呂に入るというどうしようもなさと、次の人(俺)が浸かるお湯をこんなことにしてしまった妹に対しての怒りで頭がいっぱいになって、冷静な判断をすることができずに洗面器でシラミらしきものが浮いている部分のお湯を掬っては捨て、掬っては捨てを繰り返した。

やがてお湯に浮いていたシラミはいなくなり、俺は風呂場の扉を開け大声で母に「風呂に虫が浮いていた!○○(妹)の髪から取れたやつだ!これシラミ!?」みたいなことを叫ぶと、母が「えぇっ!」と本気で驚いたような声を発して風呂場まで来た。

俺はバスタオルで大事な部分を隠しながら母を出迎えて「シラミが風呂に大量に浮いとった!絶対妹の髪からでたやつだよ!もう全部流したけど」と同じようなことを真剣に言った。

後日、母は妹を連れて皮膚科に行った、そんでシラミ取る用の櫛をもらってきた。
今思えば風呂はそのままにして母を呼べばよかったと後悔している・・・。

シラミってあんなはっきり見えるんだね・・・。

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