拉致未遂

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

心霊じゃないけど。
怖いというよりは、今考えるとかなりやばかったのでは、という実話。

私が保育所に通っていた頃・・・3~4歳くらいかな?
いつも朝、母親に連れられて保育所に着くとそのまま友達と遊んでいました。
で、母親は先生達とちょっとおしゃべりをしてから仕事に行く・・・というのが毎日の流れでした。

もともとあまり泣かない、気の強い子供だった事もあり、母親と離れる事をぐずって泣く、というようなことはしたことありませんでした。
門から出て行く母親に「ばいばーい」と手を振って見送るのは日課でしたが・・・。

そんなある日、いつものように保育所に着くと、すぐに友達と遊んでおりました。
母親はおそらく先生方としゃべっていたと思います。
で、たまたま友達と離れて玄関の方に行った時、ひとりのおばちゃんに声をかけられたのです。

女:「お母さんは?」

私:「所長室(先生方の部屋。職員室みたいなもの)で先生としゃべってるよ」

女:「え?さっき帰っちゃったよ!」

私:「?!」

女:「お母さんのところに連れて行ってあげようか?」

そう言われて、突然寂しくなったのを何となく覚えてます。
そのおばちゃんに頷いて見せると、おばちゃんは「じゃあカバンを取っておいで」と言いました。

普段寂しくない、と思っていてもやはり母と一緒にいられるほうがいいに決まっていた自分は、「門のところで待っているから」というおばちゃんの言葉に従い教室へ走って戻りました。

自分のカバンを取り上着を着ていると友達に「どうしたの?」と聞かれたので「おばちゃんがお母さんのところに連れて行ってくれるって」とか何とかニコニコしながら答え玄関に向けて走りました。
で、玄関を出て門へ走っている途中で先生に捕獲されw
「おかあさーーーーん!!」とか泣き叫んでいる所を抱きかかえられながら教室へ連れ戻されたのです。

その後のことは覚えてませんし、門にたどり着くか否か、のところで捕まったので、おばちゃんがいたのかどうかも覚えてません。

でももしかして今頃、私は生きていないか身代金事件まで発展していたか、それともうっかり全く違う名前で呼ばれていたのかもしれない・・・。

あの時の先生、ありがとう。

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