それは糸ではなく人の

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

前の職場で個人的に怖かった体験。

当時リサイクル工場で働いていたんだけど、やる事は単純で簡単に説明すると、ゴミを回収してきて、それを可燃・不燃・ビン・アルミ・スチール・ペットボトル・発砲スチロールと分別してそれぞれを出荷するという誰にでもできそうな仕事をしてた。
でもヘタレな俺は3年で辞めてしまったわけなんだけど、辞める2日前に怖い体験をした。

いつもの様にゴミの入った袋を手で破いて中身を確認してから機械の中にブチ込んでた。
この機械っていうのは中に刃の付いたスクリューがあって、それが回転して、さらにゴミ袋をズタズタに破いてくれる便利な機械なのね。
でも石や鉄を入れると刃が折れちゃうから、機械にブチ込む前に毎回中身を確認してるわけです。

たまにお宝?っぽい物が入ってたりしてたからワクワクしながら袋を確認してた。
で、大量のゴミ袋の中に1つだけ真っ黒な袋があったから期待に胸を膨らませながら開けてみたんだ。
でもその袋、何重にも黒いゴミ袋を重ねてるせいか破っても破っても中身に辿りつけなかった。
外から触ってもフワフワした感触しかなかったんで、めんどくさいからそのまま機械の中にブチ込んだったんだけど、作業終了時刻前に突然機械がエラーになって稼働が停止した。

とりあえずエラーを解除して、時間も遅かったんで先にバイトを帰宅させた。
俺は前日仕分けたアルミを出荷しに行って、工場に帰ってきた頃には18:30で外はもぅ真っ暗になってた。
上司も先に本社に戻っていて、工場内は俺1人だけ。
物音や足音を立てるだけで凄い響くほどの静けさ。

エラーの原因を調べる為、機械の蓋を開け懐中電灯片手に中を調べてみた。
真っ暗な中スクリューを懐中電灯で照らしてみると、なにやら黒い糸がスクリューの中心軸に絡みついていた。
この時は何が絡みついていたかわからんかったが、俺は無数に絡みつく何かを無性に素手で引きちぎっていった。

時計を見ると時刻は既に20:30になっていたんで(本社が21:00で閉まる)、とりあえず機械内部を水道水で洗浄して、機械が正常に稼働するか確認してみた。
いつも通り正常に動いていたので、しばらく稼働させて先に戸締まりをした。
ふとベルトコンベアーの方を見てみると、先ほどスクリューの軸に絡みついていた黒い糸が大量に流れてきていた。

自分の目を疑った。

それは糸ではなく人の髪の毛だった・・・。
絡みついた髪の毛を時間を忘れ、無性に素手でブチブチと引きちぎってた自分自身が怖くてたまらなかった。
急いで稼働を停止させ、電気を消し工場をあとにした。

本社で上司に話してみたが「どうせ美容院とかの髪の毛だろ」と軽く流された。
次の日、工場の鍵を開けスクリューの機械の下を見てみると赤褐色の水たまりができていた・・・。

スクリューの機械内部は錆れていて、水で流すと錆も混じって赤褐色の水が流れてくるが、俺にはどうしてもそれが血の混じった水に見えて仕方なかった。
ちなみにこの日は俺の退職の日で、スクリューによって押しつぶされたビンの破片が右目に刺さり、視力が1.5あったのが1.0に落ちた。
まぁ、ゴーグルしてなかった俺が悪いわけですが・・・。

駄目文でスミマセン。

ブログランキング参加中!

鵺速では、以下のブログランキングに参加しています。

当サイトを気に入って頂けたり、体験談を読んでビビった時にポチってもらえるとサイト更新の励みになります!