はじめて書きこませてもらいます。
みなさんは紫菜葉草(しなばそう)という話をご存知でしょうか
私がこの話を聞いたのは私がまだ高校生の時でした。
当時私たちのグループではバイトをしている人もおらず、放課後は毎日のように集まっては校庭でサッカーをしたり恋愛の話をしたり、どこにでもあるような毎日を過ごしていました。
そんなある日、私と友人の三人で夜遅くまで遊び一緒に帰っていたときのことです。
ふとAが時間も遅くなってきたし、怖い話でもしないか?と提案してきました。
当時の私は怖い話や動画が大好きで、自分で毎日深夜までネットで探して見ていたので、なにか身近に新しく怖い話が聞けるんじゃないかとウキウキしていました。
正直みんなの話はどこかで聞いたことがあるような話ばかりで・・・退屈でした
そんな時Bが「今から話す話は兄貴から口止めされてる、俺も聞いて後悔したし、今話すか悩んでる。お前らそれでも聞きたいか?」と言ってきました。
当時怪談が大好きだった私は待ってました!と言わんばかりにBの話に食いつき、AとCもどんな話か気になっている様子でした。
ここから先がその内容になりますが、ここから先の話を読む方は自己責任でお願いします。
B曰くこの話を聞いた人は一週間以内に必ず同じ夢を見る、その夢の内容は一面広大な花畑の中一人の男が立っている、その男は「紫菜葉草をとってこい」と言うそうで、その花というのが茎も葉も花もすべてが紫色で明らかに異質な花だというのです。
その花を摘んで男に渡せば何事もなく終わり、それを渡せなければ近い将来事故や災難に遭う・・・という内容でした。
正直私はそんな聞いたら呪われるような話は聞き飽きていたしうんざりしていましたし、「しなばそう」なんていう名前も「うそばなし」を反対から読んだ名前だというのにもそこで気づき、AとCがびくびくしているのを横目に鼻で笑っていました。
そんな話があって2、3日経ったある日のことです。
Aがすごい形相で教室に入ってきました。
心配になった私たちはAの話を聞くとAは前の晩に柴菜葉草の夢を見たというのです。
私はこの話のからくりに気づいていたので笑いをこらえるので必死でしたw
しかし、Aの顔には一切笑みがなく震えていました。
そんなAの様子が気になり私はAに詳しく話を聞いてみました。
なんでもAは夢の中で柴菜葉草が探せなかったそうで、それで怯えていたようです。
さすがにAが可哀想に思ったらしく、BもネタばらしをしたところAは本気で怒っていました。
そして次の日の朝、Bと私で話していると今度はCが「柴菜葉草の夢を見た!」と言い怯えていました。
私もBも作り話なんだから気にするなとCを励ましていました。
そしてHRが始まりました、先生が一番最初に話したのはAが事故に遭ったという話でした。
その時のCの顔は今でも忘れられないぐらいひきつり怯えた表情でした。
私は多少気味が悪かったものの、Aはなにかの偶然で事故に遭っただけだと自分に言い聞かし、その日はBやCとも遊ばずに家に帰りました。
その晩の事です。
私は最初AやCの事を馬鹿にしていたもののAが事故に遭ったという話を思い出し、なかなか寝つけずにいました。
しかし、時間が経つにつれ眠気に襲われ気づけば私はぐっすり眠っていました。
次に私が気づいたとき私は夢の中の花畑に立っていました。
目の前には一人の男が立ち私に「柴菜葉草を取ってこい」と告げていました。
私は必死で柴菜葉草を探しました。
何時間も何時間もただ一本の花を探すために広大な花畑の中を走り回っていましたが、柴菜葉草は見つけられませんでした・・・。
そうしているうちに何か大きな音が聞こえ、それは目覚まし時計の音でした。
私はようやく夢から覚めることができ安堵していると同時に、柴菜葉草を見つけることもできなかったという恐怖にも襲われていました。
朝から嫌な夢をみてしまったと思いつつも、この話は作り話だという心の支えを頼りに私は学校に行き、その後は普通に生活していましたが、私生活で楽しいことがあっても心の何処かで柴菜葉草を見つけられなかったことが引っかかり、ここ5年程嫌な思いをしています。
こういう心理が不注意で事故を起こしたりするのかもしれないですね・・・。
一応は幸せで普通に日常を暮らしていますが、いつか何かあるんじゃないかとビクビクしています。