UFO基地じゃないか?

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

この話は新耳の著者の一人、中山さんが本気の身の危険を感じて、十七年間活字化できなかった・・・っていう話です。

大学生の時、映画サークルの監督をやっていて、ロケ地探しに山に行ったと。
そこで、これまで気づかなかった、乗用車一台がぎりぎり通れるような狭い横道を発見する。
延々とその道を行くと、台地に出てきた。
そこには牧場らしきものがある。
しかし、人は誰もおらず、牛舎の鉄柵はピカピカで、排泄物を流す溝も藁一つ落ちていないことから、使われた様子がない。
牛舎の屋根を見上げると、半球形にへこんでいる。

トラクターは車輪の轍の上に不自然に裏返って放置されている。
何かの実験室もあり、中を見ると、アームのようなものがついた機械があり、沢山あるフラスコやビーカーなどが一つ残らず割れている。

なぜこんなものがあるのか?

二階建ての宿舎のような建物もあった。
一階部分には、なぜか石灰の山。
下から見ると、二階は寝起きできる部屋のようになっているので、登ろうとするも、階段がない。

崖から庇に登り窓から入る。
やはり一階に続く階段はない。
かなり構造が「変」だ。

六畳の和室。
雛人形二体、博多人形一体が畳の上にころがり天井を見ている。
部屋一杯、壁、天井そして畳にも膨大な数のお札が貼られており、あまったお札が束になって机の上においてある。
そしてふすまには、ペンキで書かれた「たすけて」の文字。
四畳くらいのもう一つの部屋には同じく人形が数体。
壁一面に幾何学的な文字。
厚い医学書。

そして壁と同じ文字が書かれたメモ帳。
その最終ページには、人体図が書かれており、部分部分を解説するように幾何学的な文字が。

牧場には変電室があり、電気が通っている様子。
他にもいくつかおかしな点があった。

そもそも、乗用車一台通れるほどの道なのに、どうやって資材やトラクターを運んで建設したのか?
生活に必要な、トイレや台所がないのはなぜ?等々。
そんなこんなで山をおりた一向。

役所につとめる友人に聞いても、そんなところに牧場があるとは聞いてない、ということ。
友人達と、「UFO基地じゃないか」とか「山の中は空洞じゃないか」という話をしていたが、後日その説を地元の友人に語ったところ、顔色を変えた、「あの山は空洞だよ」と語る。
また、あのあたりではよくUFOが目撃されるとも。

その牧場の話が広まり、地元のKという人が現場に行って写真を撮ったという。
誰もいなかったけど、黒い大型の車が二台とまっていたという。

しかし、写真を中山に送るといっていたKが失踪。
五年後、中山は再度現地に行く。
その時には、そこはもう町から委託された人がはっきりと牧場をやっている。
そして、中山らが最初に訪れた時以前に、ある医者が道楽で牧場をやったが潰れた、という話が町の人たちの間でも周知の事実であるかのように語られているという。

小学校の先生が林間学校か何かで牧場の敷地を借りるため、行くというので中山はついていった。
宿舎は天井の一部を破り、梯をかけて二階を使えるようにしている。
放牧してるようすはなく、牛を見掛けないので従業員に「牛はどこか」と聞くと、従業員は「牛舎の中」と答えた。

窓もなにもないトタンで囲まれた牛舎。
夏の真っ盛りのことだ。
中は蒸しぶろ状態だろう。

「あの中、ですか・・・」と聞くと、従業員は「そうだ」。

さすがにそれ以上聞くことが怖くなったと言う。
その後も色々エピソードはあるが割愛。
それから何年もたってタレント事務所にいた中山は、所属タレントに、その牧場につれていくようせがまれる。

中山は、年々当時の状況とは変わってきており、人々の記憶すら変わってきている。
だから、牧場に行っても当時の面影は残っておらず、何の変哲もない牧場になっているだろう、と説明した上で承諾。
到着したのは夜だが、案の定、変わったものは見つからなかった。

空を見上げると満天の星空。
本来の目的地である日本海に向かって山をおりた一向は、もう一度空を見て驚く。
山の上を見ると、満天の星空どころか、数分もたっていないのに、厚い雲に覆われている。
そして雲間から、満月に近いような月が見える。
山で空を見たときには、星空ではあったが、月などなかったのだが・・・。
とこんな話。

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