1989年、北海道。
融雪沢上流の湿原に、樹木で組んだような「SOS」の文字が北海道警航空隊のヘリコプターに撮影された。
写真を分析したところ、文字は風倒木かシラカバの木をつないで文字に組み立てたもので、現場は登山道もなく、普段人が出入りしない場所だった。
発見翌日、道警は救助隊をヘリコプターで現地に派遣。
文字の確認と周辺を捜索、文字の周辺から、白骨化した遺体とカセットレコーダー、テープ三本の入った袋のようなものが見つかった。
道警に回収されたカセットレコーダーの中には若い男性の声で、二分十七秒にわたり、助けを求める声が録音されていた。
『がけの上で身動きとれず・・・』
『SOS助けてくれ・・・』
『がけの上で身動きとれず・・・』
『SOS助けてくれ・・・
『場所は初めにヘリに会ったところ・・・
『笹深く上へは行けない・・・
『ここからつり上げてくれ・・・
検死の結果、発見された白骨は女性のものと断定された。