ウチの地方、昭和初期くらいまで『神様の妾(かみのめかけ)』ってのがあったんだって。
なんか、選ばれた女の人が持ち回りで3~5年ずつくらい神様に夢の中で愛さるらしい。
夢の中でセクースする感じの?
それで、家の先祖のとある女の人が、それに選ばれた。
結構抜けている人で、持ち回りの妾(めかけ)だっていうのに、自分が正妻になったと勘違いした。
三年くらいしたら、神様がちっとも来なくなり、神社の偉い人に聞いたら、事実を知らされた。
そしたら、女の人は神様を恨み、自分を捨てたという怨念の塊になり、独身のまま若くして死んだらしい。
で、その直後、その時の妾(めかけ)の人の所に、ズタボロになった神様が来て「もう来れません、これ以降は誰もいりません」と言って、それ以降、神様が誰の夢に現れる事も無くなったそうだ。
・・・神様、あの女に捕まったんだろうなあ、と、ちょっとかわいそうに思った。
祟りとかそういうのは無い。
だけど、ウチの家の家系が昔から『神の嫁の末裔』と言われているらしい。
やっぱ、人間恐ぇ。
死んでも恐ぇ。