悪戯もなつかしい

カテゴリー「怨念・呪い」

春先くらいかな。
長年連れ添った愛猫が天寿をまっとうしてひと月くらいたったころだった。

この猫の悪癖として、俺が寝ていると顔にいずらをすること。
額をたたく、鼻を抑える、顔をなめる、等々いろいろやられた。
はっきり言って結構うっとうしかったけど、それもなくなってしまうと寂しいものだった。

ようやく愛猫の死に向き合い始めたころ、うたた寝をしていると枕元に気配がした。
それから間もなく、うつぶせで寝ていた俺の頭を何か小さな手足が踏みつけていくのを感じて気配はなくなった。

もしかしたらあいつなりの別れの挨拶だったのかもしれない。
そう思っていたのもその日のみ。

翌日から毎日顔にいたずらされる感覚が・・・。
これが愛猫じゃなかったら怖い限りなんだけど、感覚があいつにいたずらされてる時と全く同じで、恐怖も感じない。

もう気が済むまでほっとこうかと思ってる。

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