ペンキで塗られた部屋の夢

カテゴリー「怨念・呪い」

とりあえず、読む前に見てくれ。
話を聞くだけでリンクするかも知れない話だ。

零感体質の俺や友達数人でも霊障(っていうのか?)が起きた話だ。
霊感体質の人間は自己責任で頼む。
あと、想像はなるべくしない方が良い。

俺の友達(Y)が陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)?とかいう病気で入院していた。

2週間ちょっとで退院できると言っていたので、見舞いに行かなかったら、「明日ちょっと来てくれ」とのメールを貰った。

手術も済んであと5日で退院という時だったのを憶えてる。

久しぶりに見たYは結構やつれてて、俺は入院すると誰でもこうなるんだなーって思った。

「おっす!どうよ擬似ニート生活は」という冗談にもYは力弱く笑うだけだった。

しばらくすると話題も尽きて、なんか居辛くなったからそろそろ帰ろっかなってソワソワしてた俺に、Yは「最近おかしな夢を毎晩の様に見る」と震えた声で話しはじめた。
その夢は入院してからずっと見ている夢だという。

最初は、出入り口や窓のない青い病室で自分がベッドに縛り付けられていて、横には巨大な粘土が丸イスに座ってるだけの夢。

その時点でネタだと思って俺は吹き出してしまったのだが、Yは「真面目に聞けよ!」とマジギレしていた。

二回目に見た夢では、今度は赤い病室でこれまた縛り付けられている自分の横に巨大な粘土がイスに座ってるというもの。
ただ違っていたのは、その粘土がなんとなく人の形になっていた・・・ということだった。

それから夢を見るたびに青い病室、赤い病室、青い病室、と交互に自分のいる病室が変わり、どんどん粘土が人の形になっていくそうだ。

ただ、その人の形の粘土は頭が本来あるはずの所に無く、膝の上にボールでも持っているかのように両手に支えられて乗っかっているらしい。
以下、Yの発言をなるべく正確に書いた。

完全に人間の形になった。
質感っていうの?本当に人間がいるみたいな感じ。
持っていた頭も、最初はマネキンの顔そのものだったんだけど、目を閉じた女の子になってった。

これ以上どう変わるのかと思ったら、今日だよ!今日見たらその子が俺に向かってゆっくり何か言った!
声は聞こえなかったけど、たぶん『ありがとう』だと思う。

糸の様に目を細めて、裂ける位にぃーって笑って消えたんだよ。

あんまり俺を置いてけぼりにして興奮して話すYに若干引きつつ、「そろそろバイトだわ」と嘘をついて帰ってきた。

その夜だ。
Yと(たぶん)同じ夢を見た。
ただ、違っていた点が結構あった。

まず、青い病室じゃなくて、青いのは俺の部屋。
青い光に照らされたとかいうんじゃなくて、青いペンキで塗りたくったような感じ
不思議なことに入り口や窓がない。
イスは置いてないはずだが、俺のベッドの横(ちょうど俺の顔の横あたり)に、よく学校の卒業式とかで使うパイプイスが置いてあった。

粘土はない。
だけど、何か物体がイスの上にあるようなそんな気配だけがする。
縛られてはいない、けど身体が動かせない。

なんだこれ?と思い瞬きしたらもう朝になっていた。

次の日、Yに「似た様な夢を見た!」と話に行ったら、Yは「昨日は夢を見てない」という。

「お前の方に行ったのかもな」って、Yはやけにスッキリした顔をして笑ってた。

その言葉を聞いた途端、物凄いダルさと寒気がした。
急に言い知れぬ不安感に襲われて、何にというわけではないけど、何かが怖くて怖くて仕方がなかった。

案の定、また夢を見た。
今度は赤い部屋だ。
またペンキを塗りたくったような赤い部屋。
身体は相変わらず動かないので、目だけで横を見ると、何かがイスに乗ってる。

粘土じゃなく、よくテレビとかで見る蕎麦打ちの伸ばす前の塊っぽい物の人型サイズVerだった。

イスに座ってるというよりも干してある感じだった。
背もたれの裏までベロンって妙な匂いもした。

お酢のような酸っぱい匂いに、イソジンの様な匂いが混ざった感じ。
そしてまた、瞬きしたら朝になっていた・・・。

さすがにおかしいと思った俺は仲のいいグループの友達にYの話とこの話をした。
案の定大爆笑された。
「俺ならこねくりまわして超美人でも作る」とか「蕎麦なら切り置きしとけば食料には困らねんじゃね?」とか茶化された。

ところが、俺が「お前らの所にも出ればいいのに」っていうと、急に驚いたように俺を見てそのまま黙りこくってしまった。

その夜だ、案の定青い部屋の夢。
だが、イスの上に粘土が無くなってる。
何かある気配もなくなっている。
本当にただのイスがそこにあるだけの夢。
ゆっくり瞬きすると朝になっていた。

今まで感じでいた言い知れぬ不安感もなくなり、やけにスッキリしている。
なんだったんだ??と思いつつ仲間のたまり場に行くと、昨日茶化してた二人がやけに低めのテンションでボソボソ話していた。

「お前らテンション低すぎ!」ってこれまでにないくらい爽やかに話しかけたら、殴られそうな勢いで「どうしたらいい!?」って詰め寄ってきた。

どうやら粘土を見たようだった。
詳しく聞くと俺が「お前らの所にも出ればいいのに」っていった途端に鳥肌が立って、妙に不安になったという。
そして、その夜に青いペンキで塗られた自分の部屋で、その粘土がイスに座ってるのを目撃したらしい。

俺は話を聞くとその人の所に出るとかいう胡散臭いのは信じてなかったが、マジでそんなのがあるとは夢にも思わなかった。

ちなみに、俺はそのあとそれ関係の夢は見てない。
そいつらもしばらくしたら夢を見なくなったと言っていた。
恐らく誰かに話したんだろう。

ただ、驚いたのは、退院して2日後にYが亡くなった。
自宅のトイレで頭の血管がプッツンしていたらしい。
力んだ瞬間にいったのではないか?との事だったが・・・。

仮にも検査やら何やらを3週間くらい前にした人間が頭の血管切れて(脳溢血?っていうのか?)死ぬだろうか?

俺は夢の粘土の『ありがとう』を聞いたからではないかと思う。
夢を見た俺とその友達は今もピンピンしてる。

これまた『ありがとう』聞かなかったからだと思う。
もしもこの話を見て夢を見たら、粘土が完成する前に誰かに話した方がいい。
まぁ、ネットじゃ伝わらんと思うが・・・。

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