そのアパートでは不可解な死が

カテゴリー「怨念・呪い」

随分と昔の話で申し訳ないんだが、自分が小学生の頃、市営の公共アパートに住んでいたんだ。

4階建てで、階段の左右に部屋がついていて、それがいくつも並んでいる(わかりにく表現でスマン)アパートで1棟に部屋が2*4*3で24部屋、それが何棟も並んでいる感じ。

で自分が住んでいる棟の一番右端の4階の二部屋。
ここが空き部屋になっていた。

まぁ数も多いし、別に空き家なんて気にすることではなかったんだが、自分が小学3年生のとき、4階から子供が転落して死亡するという事件が起きた。
死んだ子は小学5年生の男の子で、通学班で一緒の子だった。

そこの子の部屋は空き部屋の隣で、ベランダ伝いにちょくちょく空き部屋に出入りしていたことがわかった。

たまたま鍵がかかっていなかったそうで、両親の目を盗んではそこに出入りし、自分専用の家があるみたいなことを友達に自慢していたそうだ。

転落事件も、その子が両親が留守にしているときに空き部屋に行き、頃合を見はかって帰ろうとしたときに誤って転落した、ということになるはずだった。

しかし、たまたまその様子を見ていた幼稚園の子供がいて、その子がとんでもないことを言い始めた。

「男がベンラダを移動しようとしたとき、空き部屋にいた女の人が男の子を押した」

最初は子供の嘘か見間違いかと思ったが、一緒にいた3人が全員口々に同じことを言う。
自分もあとでその子に話を聞いてみたんだが「黒い服を着た髪の長い人が、男の子を押した」と言う。

一応警察が来て調べたし、近くでそういう不振な女性を見かけなかったか?と自分も両親に聞かれたが、そんな人物は見つからなかった。

でここから先は後にそのアパートを引っ越してから母から聞いた話。

該当の部屋には、アパートが出来た最初の頃に二人の若い男女が住んでいた。
結婚はしていたらしいんだけど、半年もしないうちにケンカが耐えないようになり、ある日2人揃って失踪してしまった。

その後しばらくは何名かその部屋に入居したらしいだけど、鏡に知らない女性が写った、とか変な声が聞こえる、動かしたはずのない家具が勝手に違う場所に移動してる・・・とか薄気味の悪いことが起こるようで、皆アッと言う間に引っ越してしまい、やがて誰もそこには住まなくなったそうだ。

今ではそのアパートもゴーストタウン化してしまい、空き部屋の方が多いそうだ。

特に落ちはなくて申し訳ない。

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