多分不動産屋の店長がストップをかけたと思う

カテゴリー「怨念・呪い」

俺に目立った実害があったわけじゃないからほんのりに書く。

俺がまだ上京したての頃。
ネットで適当に情報あつめて不動産に直接いったんだ。

今まで地方に居た俺は東京の部屋の多さと、毎日かわるすごい量の物件情報に圧倒されてな。
こんな都会での部屋の探し方とか都会に住むことに対して知識もなくてよ。
とりあえず行って話し聞いてすれば何とかなるだろうと思って行った。

店の名前はかけないけど新宿に事務所かまえてるとある不動産。
ネットで見た限りだと結構な数取り扱ってるみたいだったからでかいとこなのかなと思ったんだが、その不動産の名前は聞いたことないとこだった。

大通り沿いに大手の看板が出てて、その一連にあると思って探したが見つからず。
電話してナビしてもらいながらついたのはビルの合間。
大丈夫かよここって思いながらも入っていったんだ。

その不動産は入り口まではボロっちかったけど中はリフォームしたてって感じでピカピカだった。

で簡単な受付すまして部屋探しにになった担当はAさん(仮)。

Aさんは俺が東京の部屋探し(大きさ、場所の相場とか立地条件の優劣)をあんまりわかってないのを察すると、セールスっていうのかな?たくさんの部屋候補だしてきてマシンガントークで色々推してきた。

いくらわかってないと言っても何となく、捌き難い物件を見せられてるんだろーなって感じだった。

俺の言ってる予算微妙にこしてるやつとか、敷き礼の値段設定が変な奴。
あとは共益費がやけに高い物権とかそんで、どれも広さとか築年数とか微妙で。

この値段でこういう感じなんですか?って聞いても「都内はねー」「仕方ないですよねー」「ちょっとがんばってもこれくらいで妥協しますよみなさんー」という感じにあしらわれたちなみにネットでいくつかよさそうなのをピックアップしていったんだけど、全部あーここは埋まってますね、こっちはさっき埋まったらしいですよー、これ募集かかってなかったとおもうんだけどなー情報ふるいかも?と全部流されました。

で、どうも納得がいかなかった俺なんだけど都会の不動産事情を知らないので、決めるとも決めかねるとも言えなく悩みこんでしまった。

したら、Aさんがじゃあ僕がオススメをいくつか選ぶんで現地行ってみましょうと提案。

私は並べられた多数の物件がどれも微妙に見えてしまってたので迷ったんですがAさんは「見たら以外といいところって思うかもしれませんよ?結構、図や写真より全然いいことってあるんですよー」と押し切られて物件のいくつかを回ることに。

いくつか回ったんだけど、どれも微妙。
すげー狭かったり、ボロかったり。

一つよさそうなのがあったんだけど、何ていうか変な位置に窓(?)みたいなのがあったり引き出しがあったりする家で、それだけでも少し気味悪かったんだがベランダの前が一戸建ての家の庭で、その庭から真顔でこっちずーっとみてるお婆さんがいたから不気味でやめた。

で夕方も過ぎてちょっと今日はもう決まらないかもってなったとき「あ、そういえば私の知り合いのオーナーさんに聞いてみますよ」って言って最後にもう一個いこうって事になった。

そのマンションに行くと迎えてくれたのはどこにでもいそうなTHEおばちゃんって感じのエプロン(?)つけたおばさん。

Aさんは深々と頭をさげると鍵の場所をきいて(不動産の人だけで紹介できるようにどうやら扉の脇に隠してあるらしい)そのあと大家とAさんはしばらく喋ってた。

「じゃあ、終ったら鍵閉めて戻して帰りますので、わざわざ有難うございますー」ってAさんは大家さんにつげると大家さんは車で帰っていった。

てか、「鍵かくしてあるなら大家くる意味あったのか?」とか思ったけど何もつっこまなかった。

じゃあ部屋にいきますかーとエレベーターに乗ったんだが押したボタンは最上階。
場所は新宿らへんとしか言えないが、結構背高いマンションの最上階予定家賃こえるようなとこじゃないだろうな・・・と思ったのでAさんに「家賃って大丈夫なとこですよね?」って聞いたら「おっしゃってた金額より1.5万も安いですよ!」と。

マンション自体の築年数的には結構たってそうだったし中身がすんごいボロボロなのかなと思った。

で、その階に到着さすがに最上階ってだけあって景色はすさまじいものだった。

新宿の夜景なめてたわ恋愛ドラマの撮影に使えるんじゃねーかってくらい綺麗だった。
ここに女でも連れてくれば夜景だけで落とせるだろ・・・とかくだらなく素晴らしい東京ライフを妄想してたらAさんが部屋の鍵をあけてくれた。

部屋はなんとリフォーム済みで清潔水まわりもちゃんと改装されててお湯も追い炊きできる。

トイレ洗面はもちろん別で床は何か防音加工みたいなのがされてた1LDKでさらにベランダも広い。

正直これで文句いうやつなんていねーだろってレベルだった強いて言うなら扉が少しボロいくらい?で安いと。

俺は微妙な物件ばっか紹介してきたけど、粘ればこういうのも紹介できるんじゃん!とか心の中でAさんこの野郎って思ってた。

Aさんは部屋の説明として、最近空き部屋になったんだけど見てのとおりマンション自体は築年数がそこそこ経ってるし、中身が汚いときょうび皆敬遠するので大家さんがリフォームしたと言ってた。

リフォームしてあるのはまだこの部屋だけで他の部屋は人が住んでるし、だから景観崩さないために扉はそのままだとか。

どうですか?と聞かれて俺はもうここがいいです!って宣言不動産の事務所に戻ると大満足で判をついた。

それから帰路について契約した日から2日後くらいかな。
家に電話がきた。

かけてきたのは例の不動産の店長だった。

色々前置きはあったが端折って簡潔に言うと「お客様のご契約なさった物件は住めなくなった」って事だった。

理由を纏めると俺が見に行った時のほんの僅差前に他の不動産のほかの人が来てて契約しちゃって先着でーとかそんな感じ。

当然俺は切れた。
そんなもん確認してからハンコつくのが当然だろうが!って。

こっちは引越しの準備とかもう予定くみはじめててまたそっち行って部屋探しってなったら予定も色々ずれるし、第一そんな事してる時間とるのは難しいんだよボケが!って切れた。

そしたら私がお客様の出される条件をクリアできる物件を見つけて提案させて頂くので、もちろん私が足を運んで写真も隅々までとって図面も見せた上で尽くさせてもらいますのでそれで許していただけないでしょうかと言ってきた。

俺としてもまた現地付近まで足を運んで日にちかけて探すのは結構な手間になってしまうので渋々了承した。

Aに文句言わせろって言ったんだけど、それはちょっと出来ないと言われたのが納得いかなかったが・・・。

そこから半月ほどかけて店長(Tさんとする)はがんばってくれた。

メールで何度もやりとりするうちに少し砕けた話もするようになった。

不動産屋しか見れないサイト(実在します)の内容や本来は私が知れない不動産事情とか教えてくれて少し楽しかった。

俺は気になったんでどうしてここまでしてくれるのか聞いた。

Tさんは店長なってまだ浅いらしいんだけど、今の店舗は実はまだ立ち上げたばっかりで、新宿は競合店が多くてこの立ち上げたばっかにコケるのはまずいと上からも何とかしろと命令契約を売り物にしてる。

自分らの業界で「判をついた後に」ドタキャンするってのはご法度すぎるとのことだった。

実はうちの実家も田舎でちっさな不動産やってるから言ってる事は何となくわかった。

で、半月後すごい好条件なところを予定予算をほんの少しだけ上回ったけど見つけることができた。

ひと段落ついて半月毎日連絡とりあったTさんとの間には何か友情のような感情が芽生えてた一緒に部活やってるような感覚。

Tさんとも結構部屋以外の話も結構するようになっててTさんの嫁の事や、学生時代に部屋探しで苦労した話とか聞いた。

俺自身、怒りも収まってたのでAさんを許してやりと申し出た。
無事家も見つかったし一言ごめんなさいってAさんのくちからも聞きたかったしね。

そしたら、実は例のマンションを見に行った日、Aさんは家族に不幸があって翌日から出社してなかったらしい。
そして、その翌週には辞表を出したそうだ。

業績が良かった事もあって、TさんはAさんにもっと業務のゆるい(新宿界隈は激戦区なので)別の部署の転勤もすすめたんだが、Aさんは辞めるの一点張りで辞表だして辞めたらしい。

それを聞いてなんか不完全燃焼な気持ちになったが、もう接点がないのなら仕方ないと思った。

ただ少し気がかりだったのが、Tさんに部屋を探してもらってる半月の間に一個あった。

Tさんから電話を受けて数日は怒りが収まらなかった。
んなもん今更どうしろってんだよ見つからなかったら笑えねーぞ東京行きはもう決まってるんだし・・・とか思って、保険として別の不動産にも少しあたっとくかーと思っていくつか電話した。

その時にいくつか物件候補をFAXで送ってもらった。
その中に例のマンションがあった。
俺は何かの間違いかと思ってその不動産に電話したんだけど、募集かかってるはずなんだけどなーで話はかみ合わなかった。

Tさんにこの事を聞くと、不動産屋の情報は遅れる事が多々あって、まずお客様や一般の方が見れない不動産専用サイトで更新。
その更新があったあと数日から数週間してに一般(すーもとか、ほーむず)のサイトで更新みたいな手順をふむらしい。

ちなみに俺が最初店にいったとき持って来た資料がすでに埋まってたのもこのせい。
不動産専用サイトの方で更新された時点で不動産屋がこぞって紹介するから一般が見れるネットにUPされる頃には好条件なとこなんてほぼほぼ残ってなくて、ぶっちゃけ店舗にきてもらう釣り餌のようなものらしい。

こういう事もあったから電話したとこが遅いのか何か間違えてるのか、そういうものだろうとのこと。

んで、ここからはつい最近の事。

怖い話をネットで見ながら楽しんでた俺。
2chに書かれたホラー話のまとめサイトをたまたまみつけた。

そういう話が大好きな俺はいくつも話を読み漁ってたんだ。

その中に自分のマンションに何か出るって話があった。
話を読んでいくと俺がAさんに連れてかれた例のマンションに酷似してたんだよ猛烈に。

少し凍りついたまさかなって。
だから事故物件で色々昔の記事を調べてたんだ。

そしたら出てきた例のマンション例の一室から飛び降り自殺って。
それより前の事は調べられなかったけど。

でもその2chのやつを読む限りじゃ、その住人はもう引越ししてるし、元々その家であったのは首吊り自殺らしい。

そう考えると、呪いのような何か連鎖のようなものを感じた。

記事を見る限り飛び降り自殺があったのは少なくともそんな昔の事じゃない。
首吊り→2chの話→新しい住人の飛び降りだったら時間的なすじも通る。(他に住んだ人もいるかもしれないけど)

そしてここに追加するならAさんの家族に不幸があった事も。

幸い俺の身には何もおこってないけどってか、Aさんも無事なのか・・・って感じだわ。

それに、事故物件ってのはその次の住人には必ず説明しなきゃいけないんだ。
実家が不動産やってるってのもあってそういうのは少し知ってるんだが、次の住人には告知しておかないとだめっていう義務があるんだ。

俺はAさんから何の説明を受けてないつまり判を押したのに、それでも契約を取り消されたのは、そのへんの法令遵守できてなかったからなのかなって。

極論言っちゃうと店の法令遵守以上の事は店のやり方によるだろうから正解はわからんけども。

それか、ただTさん(店長)がこの物件はヤバイって理由でストップかけたのかもしれない。今となってはもうわからん。

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