数年前に彼氏が体験した話を投下します。
彼の自宅は街から1時間くらい離れた田舎で、いつもつるんでる友達3人と、ご自慢のスポーツカーでドライブがてら飲みに出掛けていたそうです。(まだ飲酒運転の罰則が厳しくない頃ね)
しこたま飲んで、深夜にまた3人で車で帰る途中、民家もまばらで病院の看板やら標識やらしかない国道を進んでいると、電灯の下の看板の前に女の人が1人立っていたそうです。
その時は、何でこんな時間に?とか、どうして一人で?とかは考えず、若かった彼はナンパでもしてみようか?と考えながらも素通りしたそうで、バックミラーに映る女の人を確認してから運転を続けたそうですが、その女の人の姿が一向に小さくならないことに気付いたそうです。
彼:「なぁ!さっき、看板の所に女がたっとったやろ?」
念のため、後ろにいた友達2人に尋ねると、2人とも、確かにいたと言うのです。
彼:「でもな、まだ同じ大きさでバックミラーに映っとるんやけど・・・」
そこで自分が言った言葉で、急に怖さがじわじわと湧いてきて、アクセルを深く踏んでスピードを上げたそうです。
しかし、やっぱり一向に小さくなるどころか、段々と近づいてきたように感じたその時・・・。
友人:「おい!おまえは前だけ見て運転しとれ!絶対どこも見るなよ!前だけや!」
そう言われた途端に、「ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ」と運転席側のドアノブが外から開けるように何度もなりっぱなしで、思わず横を見ようとする彼の頭を後ろから、その友達が前だけ見るように押さえ付けてきたそうです。
その間、道はぽつりぽつりと明かりが消えた寝静まった民家があるのみで、ドアノブの音と、友達が「前だけや!前だけ!」と叫んでいる声だけが響き、彼はフルスピードで運転を続けたそうです。
しばらくすると自宅近くの町に近づき、民家園と電灯も、多くなり初めたころにドアノブの音は鳴り止み、右手にコンビニが見えてきたので、とりあえずその駐車場に止まり「今のなんや?!」と動揺する彼が振り向くと、友達が、真っ青になりながら、「さっきな、お前に女の人がたっとったやろ?って言われて振り向いて、オレもその女を確認してな、また前に向き直したら・・・ドアノブ、ガチャガチャ鳴ってたやろ?おってん、そこに!お前の顔見ながら車に、しがみついて!必死な顔してその女ドア開けようとしとってん!」
こんな事もあるんやなぁって言いながら車から降りると・・・そのドアノブだけに、どす黒い血のようなものがついており、コンビニで貰った使い捨てのオシボリで拭くと、滲んで真っ赤になり、鉄の匂いがしたそうです。