魔の金曜日に出発する

幾つかの近代軍事史の中には、到底実際に起きたものとは思えないような話も多く、これが昂じて都市伝説となってしまったものもある。

その中でも、イギリス海軍発祥とされる都市伝説をご紹介したい。

ヨーロッパでは、昔から、金曜日に船を出港させることは不幸を引き起こすとして忌諱され続けてきたという。

しかし、そんなものは何の根拠もないことで、当時のイギリス海軍は、この迷信をどうにか払拭したい一心であった。
兵士の中に、金曜日の海上任務を過剰に恐れる者が少なくなかったからだ。

そこで新たに建造された戦艦のうち一隻を、フライデーと名付け、これを金曜日に出航させるという試みが考案された。

竜骨は金曜日に設置され、金曜日に進水式を行い、問題なく出航の日を待った。

問題なく建造されたこの戦艦は、当時最新鋭の技術で完成された船だった。
沈没の心配など万に一つもない。

こだわりは、まだまだ続いた。
船長にはジェームス・フライデーという人物を就任され、まさに金曜日尽くしの戦艦となったのだ。

勿論、処女航海は金曜日。
見送る人々に、フライデーの船員は大手を振って応えた。

そしてこれが、人々が戦艦フライデーを見た最後だった。

翌日未明、フライデーは原因不明のトラブルで浸水し、そのまま海の底に沈んでしまったという。

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