ブレーキが踏みたくても踏めない

カテゴリー「都市伝説」

私の姉の話。

当時車を買ったばかりの姉は毎晩のようにドライブに出ていた。
その夜も地元のK市を出て国道140号を走りショウ◯峠に向かった。
K市から峠までは大体1時間ほど。

なんということはないドライブのはずだったが、その日はいつもと違いやたらに事故が多い。

約30㎞程の間に3件もの事故。
しかもどれも車がグチャグチャだったり、おびただしい量の血が流れていたりと酷いものばかり。
その時点でなんとなく嫌な予感はしていたらしい。

峠に入るとどこかがおかしい事に気付いた。
最初は何だか良く判らなかったがメーターを見ると80㎞/hも出ている。

あれっ?と思ったものの、なんとなくブレーキを踏みたくない。
どんどん気持ちは焦ってくるものの体は動かず足が冷たくなってくる。

何が冷たいんだと足元を見ると姉の両足は半透明の白い手にしっかりと握られていた。

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