Gさんという私の友達が体験した話。
当時バイト先の仲間内で流行っていた「潰れたテーマパークのお化け屋敷に青い熊が出る」ていう噂がありました。
Gさんはすっかりこの青い熊に魅せられたらしく、噂を確かめてみたくなって、そのテーマパーク跡地まで車を走らせたそうです。
ですが、何分山奥で途中で道を間違えてテーマパークに付いた時には夜9時を過ぎていました。
途中の山道で立ち寄ったガソリンスタンドの女の子の店員に道を聞くまでずっと同じ山道をぐるぐる回っていた事に全く気づかなかったそうです。
Gさんは少々ビビリな性格なのですが「せっかくここまで来たのだから」とデジカメとライトを片手にテーマパークに入っていきました。
潰れて何年経つのか園内はそこらじゅう錆びていて雑草と小木が生い茂っている有様で、この中の何処がお化け屋敷かだなんて分からない状態、中に入っても似た様な状態で何が何だか分からないし蚊も多いし蒸し暑いし気持ち悪いし気味が悪いので数枚の写真を適当に撮影した後に帰る事にしたそうです。
そして園の出入口に向かって歩いていると・・・・Gはビックリして腰を抜かしました。
一人の少女が入口の前に立ち暗い瞳でじっとGを見ていたからです。
少女の容姿は8歳位で真っ白い服ワンピースを着ていて立ったまま涎を垂らしてゆっくりと体を左右にメトロノームみたいに動かしていた。
Gは動けません。
次の瞬間少女が物凄い勢いで走って来ました!
Gは必死にのけぞりますが体が動きません!
とうとうGは少女に捕まってしまいました。
Gは恐怖で失神した、そして夢を見たそうです。
夢の中で不気味な少女はGにこう言いました。
「ここにはもう来てはいけない、ここに来る途中お前は女に会っただろう?・・・帰り道はアレに遭わない様に別の道を通って帰れ・・・」
聞き終わるとGさんは目を覚ましました。
もう周囲は朝でした。
「何だったんだ?」
Gは言いました。
「途中で会った女・・・?ガソリンスタンドの店員の事か?は?・・・・え?あれ」
Gは記憶を辿り必死に思い出した。
果たして商売が成り立つのかどうかという位の超山奥にあるガソリンスタンドのニコやかに笑う店員の顔を・・・「口が上で、目が下?・・・嘘だ!何で顔がサカサマになってるんだ!?」と。
会って雑談した時は全く違和感に気付かなかったのに店員の顔は福笑いで失敗したかの様な逆さまの顔になっていたのだ。
というかなっていたというより初めから逆さまの顔だったのに夢を見る迄その違和感に全く気付かなかったのだと・・・。
帰り道でGは警告を守って隣の県道まで遠回りをして猛スピードで車を走らせて家まで逃げ帰ったそうだ。
後ろから逆さま顔の店員が走って追いかけて来てる様な予感がずっとしていて一度も後ろを見なかったと言っていた。
あの少女はきっと守護霊か何かだったんだとGは飲み会の度に周囲に言っている。
以上です。