某県警のとあるオービスには、頻繁に奇怪なものが写り込む事があるそうだ。
霧のような黒い影や、謎の光源、中にはぼんやりと人間らしき白い顔まで写るらしい。
その為に無用な噂の流布や職務に支障が出ないように、問題部分を目隠しシールで貼りその写真を違反者に見せる事にしている。
だがある違反者の写真には警察関係者も驚かせた。
人間の形をした白いモヤが、カップルの乗った車の屋根にまとわりついていた。
警察は大きめな目隠しシールを貼ったが違反者に指摘されたら、さすがに拒むのは問題だと思い、その時は剥がして見せる事に決めた。
だが違反者はその写真を見た途端に顔色が変わり引きつった声で言った。
「助手席に座っている女は…誰ですか?」