敬虔(けいけん)なクリスチャンや厳格な家庭に育ったお嬢様がひょんなことから処女懐妊(かいにん)するという話が海外を中心に流布している。
話の落ちとしては、海や泉で娘さんが全裸で泳いだ際に、女性器からタコの卵や蛇といったグロテスクな生物が子宮に入り込んで成長するというもの。
大きく育ったタコや蛇は娘さんの体内から取り出されるというショッキングな結末となっている。
タコや蛇よりやや現実味がある話として、本当に処女のままでボーイフレンドの子を妊娠してしまう話がある。
教義上婚前交渉を厳格に禁じている、とある宗教を信仰する欧米家庭での話。
十代の娘のお腹が妊婦さんのように膨れて来たのだ。
「最近太っただけ」という娘さんの言葉を初めは信じていたが、体の変化はどうみても妊娠を物語っていた。
「異性と関係をもったでしょう?」と問いただすと、娘さんは「絶対に関係は持っていない!!」と強く否定する。
「そこまで言うならお医者さんに調べてもらいましょう」ということで、母と娘は産婦人科を訪れた。
病院でお医者さんに診てもらうと、娘さんは確かに妊娠していた。
母親はもちろんのこと、この結果に驚いたのは娘さんである。
娘:「本当に性交していないのに!!」
母:「ではなぜ妊娠するの!?」
母:「思い当たる節はないの!?」
母親は執拗に問いただすと、娘さんは彼氏が居ること、そしてペッティングに及んだことを曝露した。
しかし、「純潔は守っている」と主張するのだ。
では何をしたか?と行為の詳細について質問すると、娘はこんなことを話した。
二人っきりでキスをしていた時、強く欲情した彼に「セックスをしたい」と迫られた。
婚前交渉は出来ないので、手でなら・・・と娘さんの手による激しい愛撫の末、彼は射精した。
しかし、彼の情欲は治まらず、手によってお互いの性器をまさぐる激しい愛撫が続いたそうだ。
どうもこれが原因らしく、精液の付いた手でお互いの性器をまさぐったことが妊娠の原因となったようだ。
処女懐妊カップルは“精子は空気に触れるとすぐに死ぬ”という話は信じていたため、先日行った愛撫が妊娠の原因とは夢にも思わなかったらしい・・・。
精子は空気に触れると死ぬという話について、精子が受精能力を失うということは運動性を失うことと言い換えられる。
精子は鞭毛運動によって卵子がある方へと泳いで行く訳だが、熱や乾燥によって鞭毛を構成するタンパク質が変性した場合、もしくはエネルギー切れになることが運動性を失う原因となる。
陰茎から飛び出した精子は体内に比べて空気が多い環境に曝されるのは確かだが、出された瞬間に即座に運動性を失うものではない。
不妊治療では男性の精子をシャーレに採取し、顕微鏡で数や運動能力をチェックするが、この際精子は運動性を失うことなく動いているところに検査の意味がある。
卵子に辿りつけるかどうかは別として、精子自体はしぶといらしく、膣内で1週間程度運動性を失わないものある。
ペッティングによる懐妊は膣内射精と比較して確率は低いことは確かだが、その可能性は十分ある。
空気による精子即死説は、精液を飲んだり顔に塗ると良いという精子美容に良い説と同様に、男性側の都合や欲望を女性に受け入れ易くするために編み出された俗説なのかも知れない。