洒落怖と言うか、個人的に興味深い話をひとつ。
日本には、鬼の子孫を名乗る人々がいるという話。
奈良県吉野郡天川村に存在する『天川弁財天社』、通称『天河神社』の宮司を務める家計は鬼の子孫だという。
しかもこの鬼というのはそこらの鬼ではなく、修験道の開祖である役行者が使役した前鬼・後鬼であろうそうだ。
この神社の開祖は役行者その人であり、その役行者が使役していた夫婦の鬼・前鬼後鬼の子孫が代々の守り人を任されている。
現在こそ柿板氏が宮司となっているが、明治以前は井頭氏という一族も宮司を務めており、やはり鬼の子孫だという。
この神社の面白いところは、節分行事として『鬼の宿』という行事が毎年2月3日に行われていることである。
この行事では、通常のように「鬼は外、福は内」という掛け声は用いず、「鬼は内、福は内」という掛け声を用いる。
「鬼は内」という掛け声を用いる節分行事は鬼子母神なんかを祀る神社には結構見受けられるが、鬼の子孫による鬼を迎え入れるための節分行事はここ天河神社をおいて他に例を見ない。
ちなみに、節分で追い出された鬼をかくまっている地域なら結構ある。
群馬県藤岡市や、茨城県つくば市鬼ケ窪がそうである。