僕の学校には、「お風呂のマイク」という怪談が広まっている。
「お風呂のマイク」とは、お風呂に入ってると風呂にある鏡からチョコレートがでてきて、それを受け取ると、「ソレハカタミチキップデース」
と、外国人の声がして、鏡から笑顔の表情をした外国人男性がでてきて、その人を鏡の中へ引きずり込む・・・という内容。
マイクはその外国人の名前だそうで。
僕は「下手な都市伝説だ」と嘲笑し、あまり話題にしなかった。
ある日、いつものように風呂に入る。
「ふうー」
1日の疲れと汚れ洗い落ちる。
お風呂は最高だ。
そう思ってたら、いつの間にかお湯にチョコレートが浮いていた。
「あれ?ここにこんなもんあったか?」
そう思うと、「お風呂のマイク」を思い出した。
「・・・あ・・・」
うっかり手に取るところだった。
「おいおい・・・あれはたしか怪談・・・作り話のはず・・・」
そう思いながらも、水面に浮かぶチョコレートから距離を置く。
「おーい、母さーん!なんで風呂場にチョコがあんのー!?」
大声で母親を呼び、聞く。
だが、返事はしない。
おかしい。
母親はさっき台所にいたし、いままででもこの場から大声を出して叱られたことがあるぐらい聞こえるはず。
「・・・」
都市伝説は信じない、あれは嘘だ、誰かが作った話だ、そう思いながらも体が恐怖のあまり固まる。
そしたら、男の人の声が聞こえた。
「ドーシタンデスカー?ウケトッテクダサーイ」
「うわあああああああああああああああ」
僕は悲鳴を上げ、風呂場から飛び出した。
マイクの声だ。
僕はいちもくさんに居間へ入った。
だが、そこには誰もいなかった。
両親も、二人の兄も、さっきまでいたはずなのに。
そしたら、部屋にあるすべての鏡に笑顔の表情を浮かべた外国人の男がうつる。
「ッ!?」
「オーノー、チャントウケトッテクダサーイヨー」
僕はそこから気絶してしまった。
次の日、学校に来たら、新しい英語の先生がいた。
外国人で、名前はマイク。
「え!?」
その顔は、たしかにお風呂のマイクだ。