焼却炉VSオトン

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

15年以上前の高校生の頃の話。

女友達が女2人を紹介してくれる事になり、こちらは男2人で臨んだ。
あ・・・エロ系ではないよ。

20時頃におち合いカラオケで3時間くらい遊び、その後もまだまだ遊ぼうという展開になった。

カラオケ屋から出ると外は雨・・・。
行く場所もないし夏だったので、墓場にある屋根とベンチだけがある壁のない休憩所で雨宿りしながら話をする事に。
2時間くらい普通の話や恋愛話で盛り上がっていたら、古くなったお供えの花等を燃やす為の焼却炉から突然煙が出始め、焼却炉の口からは炎も見えた。
到着した頃には煙も出ていなかったし焼却炉の構造上雨は入らないと思う・・・。

さらに墓場の方ではたまに何かの光がみえ始めた。
僕らの地域ではお盆になるとお墓に盆灯篭という、竹槍の反対側を上にして逆四角錐の紙を取り付けてキラキラの装飾を施すものを備える風習があった。

初盆は白い紙でそれ以外は様々な色の紙を付ける。
最初はその盆灯篭に遠くの車のヘッドライトが反射しているのだろうと思っていたが、よく考えたらお盆の時期ではなかった。
それに光は最初は見えたり消えたりしていたが、徐々にふわふわと揺れ始めた。

もしかしたら人魂??

そう話していたら女子達が怖がり始めたので、雨の降りしきる中、その場を退散した。
強がってはいたが、俺も男友達も相当ビビッていた。

時間も夜中の2時頃になり雨も降っていたので、一緒にいた男友達の家が近所だったのでそこで朝まで過ごす事にした。
しかし友達の家はとても厳格で友達は所謂不良だったのだが、夜中に女を連れ込むとはもっての他だったのでこっそり侵入する事に。

友達の部屋は2階にあるのだが階段がギシギシ音をたてるので、なるべく音のしないところを選びながらゆっくり昇り、なんとか友達の部屋までたどり着いた。

その後は墓場での不思議な体験にビビる女子達とは特にチョメチョメな事は何も起こらず朝まで過ごしたのだが、結局は友達のオトンにばれて俺と男友達はぶち怒られた。

何故か女子達含めてみんなでオカンの朝食を頂き解散した。
墓場での緊張感と恐怖よりも、友達の家の階段を昇る緊張感とオトンの方が怖かった・・・笑
やっぱり、現実の人間の方が怖い・・・というお話でした。

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