この前、ここ10年家出して何の連絡もなかった姉が夜中に突然家に帰って来た。
その日は両親は都合でいなかった為、俺一人だった。
姉は何かに怯えているようでガタガタ震えていた。
姉:「絶対絶対一人にしないで!!もう戻りたくない戻りたくない」
そう言うと俺にしがみついてきた。
パニック状態だったため家出当時のままの二階の姉の部屋へつれていきベッドで横になってもらった。
とりあえず落ち着いてもらおうと俺は「何か飲むものもってくるよ」と言って部屋を出ようとした。
姉は「行かないで行かないで!怖い怖いよー!!」と。
俺が部屋を一歩出た瞬間に「バターン!」と勝手に姉の部屋のドアが閉まった。
そして部屋の中から姉の声が・・・。
姉:「ギャッ!青い人が来る!青い人が来る!青い人が来る!!」
ドアをやっと力ずくで開けると、姉はこつ然と消えていた。
ベッドの下もクローゼットの中にも、天井裏にもいない。
玄関にはぼろぼろになった姉の靴だけが残されている。
夢ではない。
とにかく消えてしまったのだった。