体が宙に浮き・・・

カテゴリー「不思議体験」

これは私(♂)が予備校生の頃、今から25年ほど前の実体験です。
当時、札幌で築50数年のオンボロアパート(風呂なし、トイレ・玄関共有)で一人暮らしをしていた。
家賃は25,000円弱、水道光熱費込み。

現在は取り壊され、小洒落たマンションに建て替えられている。
私は高校生の頃から、月に何回か金縛りに遭っていたが、ここで一人暮らしを始めてからはほぼ毎日遭った。
だが、あの時のそれは、ひと味もふた味も違った。

その日の私は、いつものように晩飯に生協の半額弁当を食べ、午前0時ごろ床に就いた。
すると金縛り前の変な感覚、違和感。
これから来るなぁ~という確信に近い予感がした。

私はいつも寝る時は(CDプレーヤーで)音楽を低音量でかけているのだが、突然、音が歪んだ。
何というかDJがレコードをスクラッチしたような音。
音がぐぃ~ん、ぐぃ~~~んと不規則に延びる感じ。

「これはマズイ!いつもと違う!!」

・・・と恐怖したが、まったく体が動かない。

しかし目は動いたので、あたりをゆっくり見回すと、黒煙というか靄が立ち込めてる。
「うわぁ~、早く消えてくれ~、消えてくれ~」とひたすら念じたが効果なし。
この時、初めて冷や汗というものをかいた。

ここからが本当の恐怖。
部屋の中はベッドの左側に窓、右側が生活スペースとなっていたが、今度は空間までもが歪みだした。

語彙が乏しいので上手く表現できませんが、左側が窓ではなく、右側が生活スペースではなくなっていた。(グニャグニャと動いていて識別できないし、激しく目も回る)

体が宙に浮き、方向感覚をまるっきり失った状態。
どれほどこんな状況が続いたのかはわからないが、気が付いたら朝。
リピート再生していたCDが、何事もなかったかのように低音量でかかっていた。
季節は冬だったにも関わらず、敷布団がびしょ濡れ、マットにまで滲みていた。

そしてテーブルの上に目をやると、真っ二つに折れたCDプレーヤーのリモコンが横たわっていた。
私は几帳面な性格なので、テーブルの上にリモコンを置くことはない。
かならず、リモコン専用ラックに納める。
まして身長175センチ体重52キロの非力な私に、そのような芸当ができるはずもない。

あの日、あの時、私の部屋で何が起こっていたのか?
リモコンを破壊したのは何モノなのか?

落ちのない話で申し訳ない。

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