実行犯が俺の兄貴

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

この前唐突に思い出したトラウマ。

今まですっかり忘れていた。

俺がまだ生まれて間もないころ、両親と兄は今住んでいるマンションに引っ越してきた。

マンションが建てられてからそれまでその部屋を誰も使っていなかったらしく、庭にはたくさんの猫が住み着いていた。

話は変わるけど、俺が3~5歳位の時にマンション内で猫が何匹も殺されるという事件があった。
率直に言うとそれの実行犯が俺の兄貴。

休日に俺が庭で遊んでいたところ、どういう経緯でそうなったかは忘れたが、庭の外の林で兄貴が猫を殺していた。
おそらく出産直後で動けないのであろう親猫と、生まれたばかりで動けない子猫を、大きな石を上から振り下ろして一匹づつ殺す兄。

俺は「やめて!やめて」と喚いていたのだけど、兄は何も言わずに石を振り下ろし続けたのをよく覚えている。

大きな石でいっぺんに殺すだとかならまだわかるのだけれども・・・。

一匹殺しても二匹殺しても罪悪感を感じることもなく、五,六匹の猫を全て打ち殺してしまうというのは
今思うと結構異常だと思う。

子猫は全て死んだ・・・。

親猫に関しては記憶が曖昧。
死んだかもしれないし、途中で逃げたかもしれない。

その後はよく覚えてないけれど、何日か後にマンションでそれが噂になっていた。

おそらく兄は死体の処理も何もしていなかったんだと思う。

母に「何か知らないか?」、と言われた。

知らないふりをした。

兄にも聞かれた。

兄:「この辺で猫を殺した奴がいるんだって。怖いな。何か知ってる?」

こいつはいったい何を言っているんだと思ったが、昨日の今日、兄に何か異常なものを感じたので知らないふりをした。

覚えているのは以上。
最近これを思い出してからは、庭の猫たちにはやさしく接するようにしている。

気になるのはあの時の親猫と同じような模様をした尻尾が切断された猫がいること。

そんなはずはないと思うのだけど、あれから十数年しかたっていない。

ありえない話でもないかな、と。

ちなみに今でも家族四人一緒に住んでいる。

兄貴に質問されたとき・・・知らん振りしておいてよかったかもね俺。

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