20年以上もの人気を誇る日本を代表するアニメが「エヴァンゲリオン」。
なぜ、こんなに流行っているのか。
他のアニメとの大きな違いは「大人も子どもも楽しませている」というポイントだろう。
普通の子供向けアニメーションは子どもでも理解できる単純さが売りになっているが、エヴァンゲリオンのストーリー設定は真逆なのだ。
作中にはかなり難しくてややこしい内容が多い。
ストーリーのベースは旧約聖書が元になっていると言われているし、キャラの心模様の描写の仕方も絶妙。
深みがある作品といえよう。
この部分は大人受けする要因になっているのだ。
ではなんで子どもにも人気があるのか?
それは父と子の対立構造が視聴者の子どもたちをエヴァンゲリオンに引き込んでいるのだ。
作中でエヴァンゲリオンのパイロットになる碇シンジは別居している父親、碇ゲンドウに突然呼び出され、エヴァンゲリオンのパイロットになれ、と半ば押し付けられてエヴァに乗る。
しかし、シンジはおとなしく従っているだけではなく、時折、父への反抗心をあらわにしたり、家出したりするシーンもある。
現実世界ではどうか?視聴者の子どもたちもまた押し付けられている。
・勉強をしなさい!
・早く寝なさい!
・誠実にしなさい!
・ゲームは1日1時間!
・家の手伝いをしなさい!
子どもたちもおとなしく親の言いつけを聞くこともあれば、反抗することもある。
中には家出するひともいるかもしれない。
そう、エヴァンゲリオンの父子の対立構造は非常にリアルに視聴者の子どもに突き刺さり、主人公に対する親近感やストーリーへの没入感につなげているのだ。
このような巧みな戦略を使ってエヴァンゲリオンはモンスター級の人気を手に入れたのだった。