近所の中学校に伝わる学校の怪談。
西棟の階段を放課後4階から1階まで、誰にも見られず一段抜かしで降りていくと途中から手毬唄が聞こえてきて、歌い終わるまでに1階につかないと手足がバラバラになるという話。
その中学に通っていた従兄弟から聞いて、由来も何もないし他の話より嘘くさいなーと思っていた。
自分は私立に進学したのだけど、仲の良かった女子がそこに通い始まったので、その話を教えたんだ。
気の強い子で笑い飛ばしてた。
だけど1ヶ月ほど後に会った時「あの話もうしないほうがいいよ」とたしなめられた。
彼女それを実際に試したんだ。
3階にさしかかったあたりからか細く、「♪てんてんてんまり」、と聞こえてきたそうだ。
空耳かと思っていたら、だんだん声が大きくなってきて、歌詞がはっきり聞こえてきてそれが「♪てんてんてんまり手が落ちる、足落ちる、首落ちる」、と歌ってるのに気がついた。
半分パニックで1階まで一段抜かしで駆け下りて一回の床に倒れこむように足がついた途端、まるでスイッチを切るみたいにピタっと歌がやんで、恐怖で泣きながら上履きのまま家まで走って帰ったと言っていた。
それで彼女は「足と首の方はもう治ったんだけどこっちはまだ残ってるんだ」といいながら手首見せてくれたんだ。
両手首をぐるっと取り巻くように、針金で締めたみたいな紫色のミミズ腫れのような細い筋がついていた。
その後すぐ、彼女は親の都合で地方に引っ越し、中学も最近廃校になった。
本当だったのか彼女のいたずらだったのかは、今でもわからない。