威嚇してくるヤンキー

カテゴリー「心霊・幽霊」

夜お呼ばれしてマンション12階に住む彼女の家に遊びに。
1階からエレベーターに乗り、扉が閉まる寸前ヤンキー風の男が乗ってきた。
そいつは15階を押す。

扉が閉まりエレベーターが動き出すとヤンキー風の男が俺の顔をジロジロ見ながらわざとらしくガムをクチャクチャして威嚇し始めた。
まあ、そんな時間は経っていないんだろうけど、その狭い空間では長い時間のようで「因縁とかつけられたらやだなぁ~、喧嘩とかになったら勝てないし、何事もなく過ぎてくれ~」と上がっていく階数のランプを見上げながら願っていた。

エレベーターのスピードが落ちポーン、6階で止まる。
不良の気がそれたので一安心。
しかしドアが開いても誰もいない。
自動でドアが閉まり再び動き出す。

ポーン、7階で止まる。
誰もいない・・・。

悪戯?

不良が俺に言ったのか独り言なのか「ナニコレ?」と機嫌悪そうに閉まるボタンを押す。

また動き出す。
ポーン、8階で止まる。
ドアが開くが誰もいない・・・。
エレベーターの扉から顔を出す不良。

俺も横から顔出し周りを見てみるもシーンと静まり返っている。
と言うか全体的に暗い感じで、エレベータの前だけ中から漏れる光で明るいって感じ。

不良:「故障じゃないよね?なんかこわくね?」

俺:「気味悪いっすね。次も止まったりするのかなぁ」

とりあえず中に戻りエレベーターを動かす。

9階、10階、11階と順調に?止まり、そのたびに俺と不良で閉まるボタンを連打した。
目的の12階に着き、俺はおっかなびっくり降りる。

後ろから不良の「まじかよ~1人ジャン」というつぶやきを残してエレベーターは閉まり、上へ上がっていった。

彼女の部屋到着。
玄関入るなり彼女が聞いてきた。

彼女:「階段疲れたでしょ。暗くて怖いんだよねこのマンションの階段」

俺:「え、エレベーター」

彼女:「エレベーター?ん、故障中だったっしょ?」

俺:「ああ、やっぱ故障してたんだ。動き変だったもん」

彼女:「?電源切れてたでしょ。張り紙に明日にならないと修理業者来ないってあったはずだけど」

見れば解ると二人でエレベーターの前まで行くと電源が切れ中は真っ暗。

俺:「おかしいな・・・これ乗ってきたんだぜ」

彼女:「動くはずないよ・・だってこれたとえ電源が入ったとしても動かないんだよ」

俺:「何で?」

彼女:「だってこのエレベーターワイヤー切れたんだもん」

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