「おやつ亭」

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

別に「死ぬほど」ではないのだが。。

学生時代、南池袋の風呂のないアパートに住んでました。

キッチン3畳、その奥に4畳半+トイレ。
そんなボロ。

盗まれて困るような物も置いてなかったんで、いつも鍵を開けたまま出かけてました。

そのアパートの大家さんが隣の一軒家に住んでいて、いい人でした。

問題はその娘さん。
アパートの並びにある別棟に住んでて、ちとキチ系。
年齢は30後半から40くらい。
いつ頃からか、やばくなり始めました。

鍵を閉めない私の部屋を留守中に覗いたらしく、掃除をしていないのが気に入らなかったらしい。
「出てけ」と喚きはじめる。
怖いので鍵をかけ部屋に逃げ込むと、「出てケー!!」と喚きながら、強引に戸を開けようとする。

めっちゃ怖い。

母親(大家さん)が叱ると引っ込むんですが、その後、私を見かけるたびに暴れだす・・・。

そのうち、自分の部屋の扉に「おやつ亭」とかいう看板(画用紙でつくったようなやつで、字はクレヨンなんかで書いてあった)かけてなにやら妖しい店を開いてました。
そのうち店名は変わり、なんか田舎のスナックみたいな名前に。

どーにも尋常じゃない空気がぷんぷんしたが、しばらくするとぱったりと静かに・・・。

で、ある日、引っ越すことになったので、大家さんとこにいったら・・・。

大家さん:「○○さんには、娘がホントにご迷惑をおかけしまして。。」と。

私:「いえいえ、そんな、長らくお世話になりまして。」

大家さん:「娘はしばらく入院していたんですが、死んでしまいまして。。」

病名は聞いたが、忘れた。
なんか気管支系だったような気が・・・。

そんなこと報告してくんなくっていいよ、と思ったです。
はい。

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