数年前の話です・・・。
オレと友達と女友達3人で北海道の恵庭湖(札幌から1時間くらい)に車で肝だめしに行った時の話です。
季節は夏の暑い日で夜中の1時くらいに出発。
車内ではふざけ話やこれから向かう恵庭湖について話してました。
恵庭湖は崩落事故や水死体、子供の幽霊が出るなど色々な噂を聞いてましたが、さほど気にせず楽しいドライブ気分で向かいました。
恵庭湖は土砂を積み重ねたダムがあり、その下の駐車場に車を停めた時は深夜の2時くらいと思います。
そんな夜中だったので広い駐車場にはボクらの車一台だけ。
ちなみに友達が運転、オレは助手席、女友達が後ろの席に座ってました。
恵庭湖へ着いたのは深夜の2時くらい。
外は真っ暗で月の光だけがダムの先端を照らし出してのを覚えてます。
シーンと静まりかえって中に鳥の鳴き声や木と木が重なりあう音が恐怖心をあおって、3人とも口には出さなくても嫌な雰囲気。
行ったコトがある人は分かると思いますが、ダムの先端まで細い階段(鉄枠で幅70センチほど)が50メートルくらい一直線に続いてました。
友達が先頭、怖がる女友達が真ん中、オレが一番後ろから一列になりゆっくりと一段一段ダムの頂上へと掛け上がりました。
と、その時・・・「キャっキャっ」と明らかに子供の声が聞こえました。
どこから聞こえてくるのか分からないけど「キャっキャっ」と。
3人は目を丸くして暗い中お互いの顔を確認するように「聞こえた?聞こえたよな!」と、オレがそう尋ねると「聞こえたけど鳥の鳴き声だよ・・・きっと・・・」と。
その時です!
月明かりに照らされたダムの先端に子供が手を繋いで歩いてる姿をはっきり見ました。
その時見たのはオレだけで、こんな恐怖を感じたのは初めてでした。
頭の中が恐怖でいっぱい・・・。
まさにパニックとはこのコトかと・・・でも、そんな状態でも冷静に「まだ見てない二人をこれ以上怖がらせてはいけない!」、「黙って階段を下ろう」と思い付きました。
オレはゆっくりと・・・しかし一度下りだした足は早足になり、しまいには暗い階段でしたがころげ落ちる勢いで車へと走ってました。
「Kどうしたの?どうした?ねぇ!K!!」
二人はオレの名前を叫びながら慌てふためいて・・・おそらくオレの形相に恐怖を感じていたのでしょう。
こういう時って「ギャー!」とか「ワァー!」って声を出しながら逃げると思いますが、いざそういう場面に立たされるとまったくの無言。
ただひたすら3人は逃げるように車へと駆け込みました。
オレが一番最初に車に着き「M!カギ!早くカギ!早く!カギ!!カギ!車のカギ開けろ!!」と絶叫。
無我夢中でロックがかかってる助手席のドアを「ガチャガチャ」と。
そのすぐ後に運転席側に向かった友達がドアにカギを入れ「カチッ」と全部のドアのロックが外れた音を聞きました。
同時に一気に3人はドアを開け車に乗り込みましたが、オレは違和感を感じたのです。
「アレ・・・オシリイタイ・・・ナニカアル・・・オカシイ・・・アレ?」
みなさんは幽霊を信じたコトありますか?
ボクは目に見えないモノしか信じない性格でしたが、この時は確信しました。
ボクが座ってた助手席のシートにびっちり!!人の握り拳くらいの石がびっちり置いてあるのです。
誰かが並べたかのようにびっちりです!!
その石を見た瞬間は怖いというか・・・違和感?ハテナ?っていうのが第一印象でした。
「なんで助手席に?なんで石が?どこから入った?いつ入った?」
オレの頭が真っ白になったと同時に運転席の友達が「ギャーァ!!!」っと石の置いてあるシートを振り払い「K!早く!早くしろ!つっ立ってないで早く座れ!」と。
オレは我を取り戻してMが振り払ったシートに腰掛け、と同時に車は急発進でその場から逃げました。
車を走らせて何分・・・何十分・・・何時間・・・3人はその間まったく言葉を発しませんでした。
しばらくして最初に口を開いたのは女友達でした。
女友達:「誰がやった?K?M?私を怖がらせようと企んだでしょう!」
Mは「まさか!」と言いオレは笑って「だって3人一緒に車出たじゃん?その後カギかけたのに誰が石置くの?」と。
また3人はしばらく沈黙しました。
すると車がカーブに差し掛かった所でさっきシートにあった石が足元から「ゴロン・・・」と。
オレはその石を拾い「さっきの石じゃない?」と。
よく見ると濡れてるんです。ビッショリと。
さっき水の中から取り出したかのように真ん丸に濡れた石・・・。
オレは咄嗟に「湖で亡くなった子供がいたずら?遊んでほしくて?置いたのではないか」と不思議な感情を抱いてました。
その後、落ち着いたとこでダムの先端で見た子供の話を二人に話ました。
二人は顔を真っ青にしながらも「こんなコトって本当にあるんだ・・・」と言って恵庭湖を後にしました。
この不思議な出来事をきっかけに、夏の暑い日の夜・・・とくに今時期のお盆の季節にオレには不思議な体験が舞い降りるようになりました。
またの機会にその不思議な話したいと思います。
長々と読んでくれた方々ありがとうございました。