とある学生下宿での話。
ある男子学生は変な夢に悩まされていた。
彼の部屋、ベッドが設置してある壁際の天井には、梁が出ている。
夢での話であるが、ベッドに寝転んで、その梁をじっと眺めていると、天井から藁紐でできた輪っかが音もなく下がって来た。
びっくりして眺めていると、その輪は天井の方へ引っこんでしまう・・・。
そんな夢を1週間連続で見続けていた。
その学生さんだが、後日寮の部屋で首を吊った状態で見つかった。
生前友人に話していたのが、その輪っかの夢のことである。
話を聞いた友人は、すぐに首つりの”あの紐”のことを自然と連想してしまった。
しばらくして知ったことでは、亡くなった彼が住んでい居た1階の、ちょうど真上の部屋でも、同じように首つりがあったということだ。
もしかしたら、彼は真上の部屋からぶら下がって来た”あの紐”に連れて行かれたのかも知れない。