夜間のコールセンター

カテゴリー「心霊・幽霊」

10年ほど前、夜間のコールセンターのバイトをしていた時の話。

【まだ入ってすぐ位の頃】
電話の対応をしていると、背中から腰あたりを突然冷たい手で触られた気がして、振り返ると誰もいない、というのを繰返した。
俺の様子がおかしいのに気づいたリーダーが「そこ、触られるでしょ。場所移動してもいいよ」と声をかけた。
「よく出るんすか」と聞いたら「その席だけね」と答えた。
以後その席に座らないようにした。
痴女の霊だろうか。
ある種の需要はありそう。

【原因不明の事件】
いつものように仕事をしていると、突然、電話の向こうから「きらりーん」みたいな音がしたと思うと相手の声が「がっげっうっばっまっ」みたいな変な聞こえ方がするようになった。(上手く表現できなくてすまん・・)

当然聞き取れなかったので、謝って再度言ってもらおうとしたところ突然切れた。
周囲を見ると皆同じようなキョトンとした顔をしていて、「消えた」「きらーんって何?」と一斉に喋りだした。

多分、混線とかそういうのだろうと思うんだが、何せ夜中のコールセンターだったので色々考えてしまった。

その後、しばらくして普通に電話が鳴って、普通に聞こえるようになった。
ただ不思議なことに、その「注文途中で切れた客」からの苦情が一切なくその後、商品が届かないという苦情も来なかった。

【これは直接俺が関係したわけじゃないんだが・・・】
コールセンターはフリーダイヤルなのを良いことに頭のおかしい奴が電話をかけてきたり、長時間ねばったりする奴がいた。
例えば、女性向けの下着の通販で、女性に対して付け心地を聞いたりサイズを聞いたりする変態から出ると突然歌いだすおばさんとか、とにかく色々でブラックリストみたいなものがあった。

その中で一人、ある男性に執着したおばさんがいて他のやつがとると「Aさんに変わって!!」と指名する。
いないとそこからギャーギャー喚いて1時間くらい粘る。
変わったら変わったで、そこからAと世間話をしようとする。
一応客商売なので無碍にできず閉口する。

ある日、いつものようにAが対応していたんだが、Aの様子がおかしい。
目が泳いでいて、こっちに助けを求めているように見える。
リーダーに伝えて交替したらまたギャーギャー喚いていたが、とりあえずリーダーが適当に対応していた。

Aにどうしたのか聞いたら「おばさんがいきなり、『あんまりコンビニ弁当食べちゃだめよ。昨日も仕事帰りに買ってたでしょ。三日連続で同じお弁当買うのはやめたほうがいいわ。サラダも買いなさい。自転車通勤はやめて歩いたほうが健康に良いわよ。最近少し太ったみたいだし。そろそろ、去年着ていた茶色のピーコート出したら?寒くなってきたし・・」と、Aの私生活に突然干渉してきたらしい。

しかも、すべて当たっていて、茶色のピーコートも当然持っている。
Aがおばさんの電話の対応をしだしたのは半年ほど前からなのでほぼ1年前に着ていたコートを知っているわけがない。
それ以外にもAの私生活を知っている話を一方的に繰返して(2年前に別れた元カノの話とか)Aが驚いて挙動不審になった。

たまたま近所だった可能性もあるけど、そんな偶然ってあるか?
その後Aは仕事を辞めておばさんからの電話も途絶えた。
未だに謎の事件。

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