義父の前妻さんが亡くなった時、義父の落ち込みようはすごかったらしいの。
帰宅しても誰もいないのは、それはもう淋しかったらしいわ。
ただ、ある日帰宅して、気が付いたらテーブルの上に熱いコーヒーが置いてあったんですって。
義父が大好きなカップに、ちゃんと砂糖一杯とミルク多めで。
カップの持ち手にスプーンを差し込んであるとこで、義父は前妻さんだと気づいたみたい。
それが前妻さんの癖だったらしいわ。
コーヒーは長い間続いたけど、うちの母親と出会ってからはパタッと止んだそうよ。
たぶん、無意識のうちに義父が自分で淹れてたとは思うんだけど、何かいい話じゃない?