車椅子生活決定

カテゴリー「怨念・呪い」

平成15年のことだから、あれは5年前の3月。
俺、車で80歳のおばあさんをはねてしまったんだ・・・。
死ぬほど強くってわけじゃないけど、転んだときに頭を地面に打ってね、すごい出血だった。

病院に担ぎ込まれ、頭の外傷はたいしたことないとわかったけど、右膝が骨折してることが判明。
ただその手術直前に持病の肺炎が悪化し手術断念。
のちに脚はもう治らない、車椅子生活決定みたくなってしまった。

彼女そのショックで塞ぎ込んでしまい、俺が見舞いに行っても、「あたしの足を返してくれ」「いきなり後ろから突っ込んできやがって。おまえも同じ目に遭わせてやる」と、そればっかなんだな。

実際、車道にいきなり飛び出してきたのはばあちゃんの方で、死角の電柱の陰から出てこられたので、こっちは避けようがなかったんだ。
ま、こういう場合でも人身事故になれば車は重責。
何度も何度も見舞いに行って謝ったさ。

ただね、3月の事故から5月末まで、俺の身のまわりで科学では証明されないような不思議な事ばかり。
自販機で煙草を買って、振り向きざまに今までなかったはずの電柱が目の前にあり、顔面直撃&血だらけ(3回も)とか、テーブルの脚に足の小指をぶつけて骨折とか。

あと深夜寝てるときに何者かから首を締められたり、右足を引っ張られたりは日常茶飯事だった。
ただ俺はそれも認知してた。「ばあちゃん、病院で俺に怒ってんだろうな」って。

そして5月の終わりのある日のことだよ。
深夜、寝ようと歯を磨きながら立った姿勢でテレビを見てたんだ。
テレビのスイッチを消すタイミングを見計らっていたのね。
したら誰がいきなり俺の背中をすんごい力で押した。

俺マジにつんのめったよ。
言っとくけど俺は一人暮らしよ。
ペットも飼ってない。
そのとき俺は直感したね。
もしかしたら、ばあちゃんもう終わりなのではないかと。

実際、そのときのばあちゃんは肺炎が悪化してよくない状態だったから。
俺の予想通り、翌明朝早く、ばあちゃんの息子さんから『亡くなりました』って電話をいただいた。

あれから5年、命日とお盆&彼岸には必ず墓参りに行ってる俺だけど、亡くなる前夜まであった不思議な現象はいまだ一つも起きてない。

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