かなり古くからある喫茶店の内装を頼まれた時の事。
その日は朝から大雪で、外には雪掻きをする人がちらほら。
社長と俺の二人で、壁紙を張り替える作業をしていた。
お昼12時位にご飯を食べて、社長と俺は別々のソファーで休憩がてら寝てたんだ。
うつらうつらとしてきた頃、誰かの足音が聞こえてきた。
外から来たのか、雪で靴が濡れているのか、キュッキュッと音を立て、狭い店内をくまなく歩いてる様子。
「社長が先に起きたのかな?俺も起きよう。」と思っても体は動かず、急に怖くなってきて変な汗が滲んだ。
壁際に向いて寝てたから後ろで誰が歩いてるかも解らず、「社長・・・?」と呟くと足音は止み、体が動く様になった。
ガバッと起きて店内を見渡すも誰も居なく、社長は遠くのソファーで寝ていた。
後で分かったことだが、実は社長も気付いてたみたいだけど、霊感が強いから慣れっこらしい。
店内で揺れる照明がやたら怖かった。