深夜に突然、体全体がズシンと重くなって目が覚めた。(まぶたは開けずに意識が起きたという感じね)
手足も重たいんだけど何より胸のあたりが重くて思わずうめいてしまった。
そのころにはかなり覚醒していたので何なんだいったい?と目を開いたら、自分の胸の上に立ってる白い服着た人らしきもの?がいた
「立ってる」というか片足で前屈していて、もう片足は真上に蹴り上げている・・・。
うまく説明できないんだけど、自分の顔の方に手と頭をだらんと垂らしている、そんな体勢。
だから目を開けたら髪の毛の束が目の前にある状態だったんだけど不思議と怖さを感じなかった。
『何なんだ!?意味もなく他人の上に乗らないでほしいんだけどな』
そんなこと考えてたら唐突に『身体を使いたい』というのが頭の中に浮かんだ。
それまで自分が考えてた事と全く脈絡がなさ過ぎて思わず「ハア?」って声に出してしまった。
理由も根拠もよく解んないけどその『身体を使いたい』ってのが自分でなくて胸の上に立ってるこいつが言ったんだと思った。
で、なんだかとてもムカついたわけ。
「あのさ、こっちは寝てたんだ。身体を借りたい奴が借りたい相手に迷惑かけるってどういうことだよ。ああいーよ、使っても。ただし身体の所有権はこっちだからな。他人に迷惑かけるのはダメ、身体を傷つけるのもダメ、借りっぱなしとかふざけんな、絶対に元あるところに元の通りに戻す!それができるなら使うことを許してやってもいい」
・・・今考えると自分も相当斜め上だとしか思えないんだが・・・。
そうしたら髪の毛がゆら・・・と揺れて、その人のような何かが消えた。
それと同時に重さも消えたので、『身体を使われてる最中にトイレ行きたくなったら困るな』と思って起きあがってトイレに行って、布団に帰って寝た。
朝起きてあれは夢だったのかなと思ってたんだけど、夜中にトイレに行ったときに補充したトイレットペーパーとか取り換えたタオルとかが記憶の通りだったのでやはり現実だったんだな。