天国へ行けますように

カテゴリー「心霊・幽霊」

昨日から今朝にかけての話。

夜勤のある仕事をしてるんで、月に数回早朝の電車に乗ることがある。
昨日も夜勤でほぼ始発くらいの電車に乗ってた。

都心から住宅街へ向かう電車だし平日だから普段は乗客もまばらなんだけど、昨日は珍しくちょっと混んでた。
・・・と言っても席はちらほら空いてるし、余裕で座れる程度ではあったけど。

いつも通り暇潰しに携帯を見てたりしてたんだけど、何気なく顔を上げたら向かいに座ってたリーマンと目が合った。

いかにも朝帰りっぽい感じで凄く疲れた顔をしてて、スーツもくたびれててシワが多かった。

「あーこの人も疲れてるんだなぁ」とか、そんなことを思ってたら次の駅に着いて、乗ってきた水商売っぽい派手な女性が、何のためらいもなくそのリーマンの真上に座った。

(;゜д゜)!?
同時にこんな顔になる私とリーマン。

その時もがっつり目が合ってたんだけど、なんか透けてる。

表現しづらいんだけど、同じ場所に座ってて、女性の体からはみ出てる部分はちゃんと見えてるけど、重なってる部分はなんかちょっと霞んでるというか、透けてる。

頭が追いつかなくて固まってたら、照れくさそうな微妙な笑顔を浮かべて会釈されて、そのままリーマンはフェイドアウトしていった。

そこでやっと事態が飲み込めたんだけど、あまりの現実味の無さにむしろ笑えてきてしまった。

その後は何事もなく最寄り駅まで着いて、近くに誰もいなかったんでなんとなく電車の方に向かって手を合わせて「次は座れると良いですね。でもできれば天国へ行けますように」なんて心の中で声をかけた。

こっちも夜勤明けで疲れてたんで物凄いリアルな幻覚だったのかもしれないけど、もし亡くなってからもずーっと通勤してるんだったら可哀想だなって、そのくらいの安易な考えで。

ごめん。
まだもうちょっと続きます。

で、改札を出ようとしたら、真後ろというか、体感的には右耳のすぐ斜め後ろくらい?から「行かなくていいんですか?」と、低くてかすれた声だったけど、やけにはっきり聞こえてびっくりして振り向いた。

でも誰もいない。
そこで急に怖くなって急いで改札を出て、駅前の自転車置き場まで全力疾走した。

低かったけど確かに女性の声だった。
背中がピリピリするような感じがしたのと、着いて来ているような気がして、焦りながら鍵を出したら自転車の鍵だけがない。

キーホルダーに必要な鍵を全部まとめてつけていて、カバンの中で一つだけ外れるなんてことないはずだし、電車に乗るのに定期を出した時にカバンの一番底に鍵があるのを確認したのも覚えている。

ちょっとパニックになりながら一応その場でカバンの中身を全部確認したけど、どこにもない。

背中のピリピリがズキズキに変わってきたのもあって、あきらめて駅まで戻ってタクシーで家に帰った。

家に入ってドアを閉めたら、ガン!ってドアを蹴っ飛ばされるような音がしたけど、全部まとめて気のせい!って自分に言い聞かせて、そのまま寝た。

疲れてたのもあって昨日は昼過ぎまで寝て、寝て起きたら怖さもなくなってたというか、疲れてたからタクシーで帰りたいって自分の願望だったのかもしれないって思って、特に気にしなかった。

一応、ムダだとはわかってたけど駅までの道とか、最寄り駅とか、自転車置き場とか、鍵を落とした可能性のある場所は探したけど当然見つかるわけもなく・・・。
自転車の鍵は電車の中で落としたんだと結論付けた。

面倒臭がって、買った時のまま予備のと2本をそのままキーホルダーに通してたから自転車は回収できず、新しいの買うか鍵壊すか決めないとなーって凹みながら家に帰った。

ここまでが昨日の出来事。
で、今朝、ゴミを出すためにドアを開けたら、目の前に自転車の鍵が落ちてた。

キーホルダーすらついてない状態だから誰が持ち主かなんてわからない鍵なのに、2本の鍵がきっちりそろえられた状態で、落ちてたというよりは置いてあった感じ。

微妙に薄ら寒いものを覚えながら自転車を回収しに行って、帰ってきて今にいたるんだけど、一体何がどういうことなのかさっぱりわからない。

この場合誰に「鍵を届けてくれてありがとうございました。」って言えば良いんだろう・・・?

長くてごめんなさい。
以上です。

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