当時高校生。
帰り道、駅から家までの途中に駐車場があるんだけど、その駐車場の前を通ろうとしたとき、歩道との境目にある人より少し高い看板の脚の間に、素足の人の両足が見えた。
覗いたら、光源が少ないのに目に焼きつく程の赤いワンピース一枚の、黒髪長髪の多分女。
壁に向かって立っていた。
見た瞬間ゾワッと冷えた。
完全に見た目は人なんだけど、状況的にキチガイか、一般人にも見えちゃう最強格かのどちらかしかない。
大丈夫かと声を掛けようかとも考えたけど、仮に人でも霊でも、深刻な理由で壁に向かって立っているのは明らかで、
自分の手には負えない、と考えて立ち去る事にした。
ちなみに、迷ってる間通行人の何人かが異常な気配に気付いてこっちを見ながら歩いていた。
で、いざ立ち去る時になって、駐車場に車を止めた家族が女に気付いた。
その家族は四人で、二人はまだ車内、爺さんと小学生位の男の子が赤いワンピースの女を見て立ち止まってた。
その時俺は離れ際だったので、関わりたくないとそのまま行こうとしたんだけど、やっぱりあの家族に警告しようと考えてすぐ引き返した。
そしたらその家族も赤い女も居なくなってて・・・車だけが半年くらい放置された挙句、ついに警察が来てるのを見かけた。
わざと近くを通って聞き耳を立てたら、車について近くの菓子屋の店員が事情を聞かれてた。
店員が半年くらい放置されてますと答えてた。