筑紫野有料道路が開通して数年後の話だが、深夜時頃に筑紫野有料道路から県道31号を使って佐賀市内の友達の家に向かっていた。
深夜だしそこそこスピードを出して走っていると急に道に人が飛び出して来て急ブレーキとハンドル回避でどうにか轢かずにすんだ。
飛び出して来たのは40代ぐらいの女性で道に座り込んでしまっていたので車から降りて話しかけたんだが、パニック状態なのか何を聞いても要領を得なかった。
当時は携帯もなかったし、道は知っていても公衆電話の位置や派出所の位置などはわからない状態だったので途方に暮れていたら、白衣を着た看護婦と医者らしき人たち数人が走ってきて道に座り込んでいる女性を抱きかかえるように連れて行った。
残っていた白衣を着た男達が「迷惑をかけた。このことは見なかったことにして欲しい。」と頭を下げ財布から一万円札を何枚か出して俺の手に握らせて走り去った。
あまりのことに一瞬呆けてしまい受け取ってしまったんだが、後を追う気にもなれず佐賀市内の友達の家まで走った。
友達にこのことを話すと「精神病院があるとこじゃない?逃げ出した患者を連れ戻しただけかもね」と言っていたがその後、友達に話したのがばれたのか後日、白衣を着た男達が尋ねてきた。
ちょうど家にいなかったのだが母親が応対した時、なぜか自分の名前を知っていたと言っていた。
今はいませんと伝えるとあっさり引き下がったらしいが、しばらく家に帰るのが怖かった。
それ以来は来てはいないけど何だったのか今でも不思議だし怖い。