今は亡き叔母からもらった、赤ちゃんと同じ大きさの抱き人形・・・。
あれを小さな箪笥の上にずっと座らせてあった。
ある日、母が台所で炊事してると、箪笥の置いてある部屋の方から、「○○ちゃん(私の子供の頃の一人称)のスカートがひっかかってるのに」と、小さな頃の私そっくりの声がしょんぼりと呟くのが聞こえてきたそうで。
あれっ?と思って箪笥の部屋に来た母がその子のスカートの裾を見ると、なるほど、引き出しにベビードレスの裾が挟まれていたそうな。
綺麗に整えてあげた後は何も声はしなかったそう。
古くなってアクリルアイもがびがびになってしまって、引越しの時にお焚き上げしてもらったあの子。
私が人形者になった今なら綺麗にしてあげられたのになぁ。
連れて来てあげればよかったと今更思う。