霊より直感でヤバイと思った

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

サイクリングにハマってた時期があったんだが、10年くらい前のある晴れた夏の日のこと。

午前10時頃に家を出発して、片道4時間くらいかけてある見知らぬ町にたどり着いたんだが、その町がもの凄く静かだった。
山を背にした緑豊かなところで、山の方から「カーン、カーン」と金属に金属を打ち付けるような音が聞こえていた。
不気味だったのは、その金属音以外の音が全く無かったこと。

民家は多くあったが、人の声も生活音も一切聞こえない。
動物や虫の鳴き声も無い。真夏の晴れた昼間なのに、蝉の鳴き声すら聞こえてこない。
そもそも自分以外、動いているものが全くない。
人も車も、犬や鳥、虫一匹見当たらない。

風も吹いておらず、木も草も動かない。

それでいて、何故か民家からは人のいる気配だけは感じていた。
薄気味悪さを覚えるようになってきたところで、山の方から聞こえていた金属音が、段々こちらに近付いてくるように感じられた。

直感的に「まずい」と思い、急いでその町から出た。
たったこれだけで、実際には何も無かったんだが、自分の人生の中で一番奇妙な経験だった。

過去には霊らしきものを見たこともあるが、それ以上の気持ち悪さを感じた。
その後もサイクリングで様々な見知らぬ土地を訪れたが、このような経験はしていない。

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