もう随分経つんだが、長男を産んだ病院であったこと。
深夜に赤ん坊が、鼻が詰まりすぎて変な呼吸のリズムになっていて、心配なので1フロア下にあるナースステーションに行って見てもらおうと思って(ナースコールするほどじゃないかなーなど思ってた)、赤ん坊を抱いてエレベーターに乗った。
乗って階数ボタンを押して、扉が閉まって動き出したと思ったら、急に稼働音が消えて、エレベーターの中がうす暗くなった。
「あれ故障?非常ボタン押せばいいのかな?」と思ってるうちに、「うーんうんうんうんうんうんうんうんうんうん」と、若い男が耳元で唸るような声が聞こえた。
怖い、と思う前に、体中の毛が逆立つような電撃が背中に走った。
ボタンだボタン、と思うんだが、何故か手元が霧のようにモヤモヤしてボタンがそれも全然見えない。
すると薄目でトロトロしてた息子の口から、オバサンのような太い強い声で「キエーーーっ」みたいな声が出て、もう何か大変なことに、とパニックになったが、間もなくエレベーターが動き出し、無事に外に出られた。
もう腰が抜けかけて、息子抱えて転げるように飛び出した。
ナースステーションでアワアワと説明して泣いたが、息子はもうグーグー寝てたw
エレベーターはすぐに修理が来てくれたらしいが、故障箇所がよく分からず、清掃だけして帰って行ったと、かわりに怒ってくれながら病院の助産師さんが言った。
息子は元気でもうだいぶ大きくなってる。
月並みなアレだけど、息子妊娠してすぐに旦那母が持病で亡くなったんだよね。
息子を守ってくれたのかなあ、なんて当時は思ったりした。